「イーロンは正気を失った、和解には興味がない」トランプ大統領が発言

トランプ大統領は先日、マスク氏との和解には「興味がない」と述べ、2人の決裂が決定的となった。
和解のための会談を否定
トランプ大統領を攻撃し続けてきたマスク氏だが、現在はトランプ氏と話をしたがっていると言われ、和解のための会談が予定されているとの報道も出ていた。
しかしトランプ氏は6月6日、ABCニュースのインタビューでその件を聞かれ、「正気を失った男のことか?」と答え、今はマスク氏と話すことに「特に興味はない」と答えたという。
またトランプ氏はCNNに対しても「イーロンのことなど考えていない。彼には問題がある。かわいそうな奴が、問題を抱えている」と述べたそうだ。
さらにニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ氏が私的な会話の中で「イーロンの行動は薬物使用によるものだ」と話したと報じている。
「エプスタイン・ファイル」の疑惑を否定
マスク氏は6月5日、有罪判決を受けた児童性犯罪者、ジェフリー・エプスタイン氏に関する文書、いわゆる「エプスタイン・ファイル」にトランプ氏の名前が記載されていると、SNSに投稿した。
これに対しトランプ氏は6月6日、自身のSNS「Truth Social」に、エプスタイン氏の刑事弁護士、デビッド・ショーン氏による声明を投稿。
その声明には「エプスタイン氏は、トランプ大統領を傷つける情報を持っていなかったと、私は断言できます。私は彼に具体的に尋ねたのです!」と書かれていたという。
マスク氏は大統領選で、トランプ氏に約400億円も献金したとされ、一連の投稿の中で、「自分がいなければ、(トランプ氏は)大統領選に負けていた」や「恩知らず!」と非難の言葉を浴びせていた。
新たな政党を立ち上げる構想を提案
この2人の決裂は、今後の政治情勢に大きな影響を与える可能性があると言われている。
マスク氏は6月5日、トランプ氏を批判する合間、SNSの「X」において、「アメリカに中間層の80%を真に代表する、新政党を設立する時が来たと思うか?」と尋ねるアンケートを投稿。翌日には、回答者の80%がこの構想を支持したと発表した。
マスク氏自身の財力を考えれば、来年の中間選挙には数百万ドルを投入でき、全米の選挙に影響を与える可能性があると言われている。
またマスク氏は、トランプ氏が「政府との契約の打ち切り」を示唆した後、「ドラゴン宇宙船の撤退」を表明したが、「冷静になって」との支持者からの声を聞き、「撤退」を取り消した。
ただトランプ氏の盟友であるスティーブ・バノン氏は、南アフリカ生まれのマスク氏を「直ちに国外追放すべきだ」と述べており、マスク氏がCEOを務める「テスラ」社の株価も14.2%下落し、企業価値が約1520億ドル(約22兆円)も失われたという。(了)
出典元:The Guardian:Donald Trump says Elon Musk has ‘lost his mind’ and dismisses peace offering(6/6)