ロックダウンの一部期間は違法だった、NZの裁判所が判決を下す
ニュージーランドでは今年の3月後半から、新型コロナウイルス対策として数週間のロックダウンが行われたが、最初の数日間は法律に基づかない措置だったと判決が下った。
法律で定められていなかったと判断
ニュージーランドでは2020年3月26日から約7週間ロックダウンが行われ(完全な制限解除は6月まで)、政府は人々に自宅に家にいることを求めたという。
このことに関し、ウェリントンに住む弁護士であるアンドリュー・ボローデール氏は、新型コロナに対するニュージーランド政府の対応に関する3つの問題に関して司法審査を求めていたそうだ。
そこで高等裁判所は8月19日、新型コロナ対策として人々が家にいる必要があることを正当化したものの、ロックダウン措置を実施することを許可する内容が、3月26日から4月3日までの9日間については法律に明記されていなかったと認定。違法であると判断した。
権利法第5条に違反していた
裁判所は、すべてのニュージーランド人に対して家にいることは、特に移動の自由、平和的な集会および結社への権利を含む、1990年のニュージーランド権利法によって確認された「特定の権利および自由」を制限する影響があったと指摘。
これが。当時の危機的状況への必要かつ合理的な対応であったことは間違いないと認めつつも、9日間については法律で規定されていなかったため、ニュージーランド権利法第5条に違反していたと結論づけたという。
この判決を受けて、アシュリー・ブルームフィールド保健局長は次のような文面を提出している。
「私たちには厳しい決断が必要でした。そしてそれを行いました。ニュージーランドの人々の健康と福祉を保護し、私たちの健康システムが圧倒されるのを防ぎ、経済へのダメージの長期化を避けるため、ロックダウンが最良の、しかも唯一の方法であることは明らかでした」
「(当時)絶対的な優先事項は、適切にロックダウンをすることでした。その期間、私たちが行ったあらゆる面を稼働させることでした。私たちには行動する必要があったのです。詳細まで正確に整理する時間はありませんでした」(了)
出典元:Evening Standard:New Zealand lockdown was unlawful for first nine days, High Court rules(8/19)