【フランス大統領選】極右のル・ペン候補、戦争後にロシアとの連携強化を訴える
フランスの大統領選挙で決選投票に進んだ極右候補のマリーヌ・ル・ペン氏が、ロシアと和解すべきとの発言を行った。
ロシアとの「和解」を要求
ル・ペン氏は13日、外交政策に関する記者会見を開き、フランスがアメリカ主導の同盟(NATO)から距離を置くことを提案すると述べたという。
その上で「ロシアとウクライナの戦争が終わり、平和条約によって解決されたらすぐに、私はNATOとロシアの間の戦略的和解の実施を要求する」とし、NATOとロシアの連携を緊密にすることを提案した。
4月24日に実施される大統領選の決選投票の支持率は、現時点でエマニュエル・マクロン氏の55%に対し、ル・ペン氏は45%となっている。
選挙資金をロシアなどの銀行から融資
2014年、当時ル・ペン氏が率いた政党「フロント・ナショナル(国民戦線)」は、地方選挙戦用にロシアやチェコの銀行から900万ユーロ(約12億円)を借り、現在も返済を続けているという。
また5年前、ル・ペン氏が2017年の決選投票でマクロンと対決した時も、彼女はプーチン大統領からクレムリンに接待され、2人が握手する様子も撮影されている。
当時、ル・ペン氏は、プーチン大統領と同じ価値観を共有していると宣言。またプーチン大統領、ドナルド・トランプ大統領(当時)、そして彼女らが主導する「新しい世界秩序」が出現しつつあるとも宣言していたそうだ。
今回のウクライナ侵攻に関しては態度を変え、ロシアを非難。しかし同時にロシアへの制裁による自国の代償、インフレ、燃料コストや生活費の危機などに人々の関心を向けさせようとしてきた。
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人々の目から密接な関係をそらそうとする
今回の記者会見でも、ル・ペン氏は世間の目から、プーチン大統領とのこれまでの密接な関係をそらそうとした。
彼女は記者会見で「自分がフランスの利益を裏切り、プーチンに恩義を感じているという話は不正確で、特に不当だ」と述べたという。
しかしこの時、会場ではデモ参加者が、2017年当時に撮影されたプーチン大統領と彼女が握手したハート型の写真を掲げたそうだ。その後、このデモ参加者は警備員にタックルされて地面に倒れ、床を引きずられて追い出されたという。
その後、ル・ペン氏は「私はこれまでフランスの利益しか守ってこなかった」とし、マクロン大統領もプーチンと個人的な関係を築いてきたと主張。
マクロン大統領がベルサイユ宮殿や地中海にある夏の別荘に招待して、プーチン大統領と対話を進めてきたが、そのアプローチは自分と非常に似ていると語ったという。
また彼女は、ロシアとの関係を良くすることで、モスクワが中国に近づきすぎるのを防ぐことができると指摘したそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Marine Le Pen proposes closer Nato-Russia ties after Ukraine war(4/13)