ドイツ、EU加盟国が「レオパルト2」をウクライナへ送ることを禁止しない可能性
EU(欧州連合)の外交政策委員長は、ドイツ政府が他の国によるウクライナへの戦車の供与を禁止しないとの見方を示した。
「輸出を禁止するつもりはない」
そもそもドイツ製の戦車「レオパルト2」は一部のEU加盟国が保有しているが、それらを第三国に供与する場合、ドイツ経産省の承認が必要となる。
しかしドイツ政府は1月20日にラムシュタイン米軍基地で開催された国防相会議で、ウクライナへ「レオパルト2」を供与することを決定せず、第三国の供与も承認していなかった。
ただEUのジョセップ・ボレル外交政策委員長は1月23日、記者会見で「ドイツは、これらの兵器を保有する一部のEU加盟国が送りたいのであれば、輸出を禁止するつもりはないようだ」と述べたという。
ドイツの外務大臣の発言で混乱
またドイツ政府のアナレーナ・ベアボック外務大臣は1月22日、ポーランドがウクライナに「レオパルト2」を送ることを「邪魔しない」と発言。
これによりドイツ政府内部でも混乱が生じているそうだ。
もっともこの発言については、政府の立場の変化を示すものなのか、またはベアボック外務大臣が所属する「緑の党」の戦略なのかは、明らかになっていない。
ポーランドは許可なく戦車を供与予定
一方、ポーランド政府は、ドイツ政府の承認なしに、ウクライナへ戦車を送る用意があることを改めて表明したという。
またポーランドの・モラヴィエツキ首相は、ウクライナにレオパルド戦車を送るためにベルリンに許可を求めると述べたが、その許可は「二次的に重要なもの」であると表現したそうだ。
ただドイツ政府の報道官は、ポーランドや他の国からウクライナへの「レオパルト2」の移送を許可する要請を受けたことはないと述べている。
「ウクライナ国民が代償を払うことになる」
この動きについてロシア側は、批判を繰り返しており、ペスコフ報道官は西側諸国がウクライナを支援するために戦車を送ることを決定した場合、ウクライナ国民が「代償を払う」ことになると警告したという。
またスウェーデンのストックホルムでは先週末、コーランのコピーを燃やすなどの抗議活動が行われた。
これを受け、トルコのエルドアン大統領は、スウェーデンのNATO加盟を支持しないことを表明したという。
フィンランドやスウェーデンがNATOに加盟するためには、トルコ政府の承認が必要とされている。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Germany ‘not blocking export of Leopard tanks’, says EU foreign policy chief – as it happened(1/23)