フランスがウクライナへ戦闘機の供与も除外せず、ただし条件も
フランス政府の高官が、ウクライナへ戦闘機の供与を考えているとしながらも、同時に条件も提示した。
「事態は急速に進んでいる」
フランスのマクロン大統領の側近で、国防・軍事委員会のトーマス・ガシルー委員長は現在、イギリスの国会議員に会うために、ロンドンを訪れているという。
そして記者団に対して「事態は急速に進んでいるため、今後数週間で次に何が起こるか、わかるだろう」と述べたそうだ。
またフランス政府がウクライナへ戦闘機を供与するとの選択肢も除外していないとしながらも、それには「戦争の激化につながらないこと、国家やヨーロッパの安全保障を損なわないこと、ウクライナ人に役立つことが条件だ」と述べたという。
その上で「(ウクライナからの)要請はケースバイケースで検討し、すべてのドアを開けておかなければならない」と語った。
すでにデンマークや、ウクライナの近隣諸国は、戦闘機の供与についても考えているが、その他の国々は戦争をエスカレートさせることになるのではないか、と懸念しているという。
フランス製戦車の供与の可能性は低い
一方、先日マクロン大統領は、ウクライナへフランス製の戦車「ルクレール」の供与も除外してはいない、と述べたが、ガシルー委員長は供与の可能性は低いとの見通しを述べた。
ガシルー委員長は「戦車も航空機も、時間がかかる専門的な訓練が必要で、パイロット1人につき10人の地上職員が必要だ」と指摘。
またドイツやアメリカが戦車の供与を決めたことに関連し、「特にウクライナにとって、異なるタイプの戦車に対応するのはコストがかかり、複雑だからだ。我々は、例えば対空兵器を考えている」と語ったという。
ウクライナ全土にミサイル攻撃
ウクライナでは1月26日、再びロシア軍によるミサイル攻撃が相次ぎ、11人が死亡、11人が負傷したという。
その一方で、ウクライナ軍はロシアが発射した55発のミサイルのうち、47発をウクライナの防空網が撃墜したと主張している。
ロシア当局は12日、独立系ニュースメディアの「Meduza」を「好ましくない組織」に指定。同サイトのロシア国内での活動を事実上禁止するとともに、ロシア人が「Meduza」やそのジャーナリストと協力することを禁じた。
ロシア政府は、ウクライナでの戦争が始まって以来、独立系メディアを抑制し、その報道が一般のロシア人に届くのを止めようとしてきた。
またアメリカ政府は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を「重要な国際犯罪組織」に指定し、ウクライナ侵攻を支援してきたこの軍事請負業者にさらなる制裁を科したという。(了)
出典元:The Guardian:Eleven killed and 11 wounded in Russian missile attacks; Wagner group classified as criminal organisation by US – as it happened(1/26)