ウクライナ、今後50年間イランへの制裁を実施、議会で可決
ウクライナの議会は5月29日、イランに対する追加制裁を継続することを可決した。
すべての貿易活動を禁止に
ウクライナのゼレンスキー大統領は5月28日、イランへの制裁に関する決議案を承認するよう議会に要請したという。
決議案では、投資や技術移転を含む、イランとのすべての貿易活動を包括的に禁止することを提案。
また、イラン製品のウクライナ領内通過を停止し、ウクライナに保有するイラン資産の引き出しを禁止することを提案した。
この要請を受け、ウクライナの議会「Verkhovna Rada」は、イランに対して今後50年間、追加制裁を科すことを可決したという。
米やEUもすでにイランへ制裁
イランは、ロシアに自爆型ドローンを供給しており、それらはウクライナのインフラに対する攻撃に使用され、多大な経済的損失と民間人の死者を出している。
アメリカも今年の3月下旬、イランのドローン及び武器開発プログラムに関与したとして、イランとトルコの4つの企業と3人の個人に対する追加制裁を発表した。
また昨年12月にはEUも、ロシアが使用したドローンの開発と配送に役割を果たしたとして、イランと4つの団体に対し、制裁を発表している。
40発の巡航ミサイル、約35機の無人機
ウクライナ全土では5月29日にもロシア軍の攻撃が行われ、一晩で最大40発の巡航ミサイルと約35機の無人機が発射されたという。
ウクライナ側は、防空システムにより、ロシア軍の37発のミサイルと、29機の「シャヘド」無人機を撃墜したと主張している。
29日の朝には首都・キーウにロシア軍のミサイルが撃ち込まれたが、ウクライナ側は11発を撃ち落としたという。
ただしキーウの町では爆発音が響き渡り、この攻撃により1名が入院。また2階建ての建物の屋根が落下物の影響で燃えたが、火は収まったそうだ。
一方、ウクライナ東部ドネツク州のPavlo Kyrylenko知事は、29日の朝にロシア軍がトレツク市を攻撃し、2人が死亡、8人が負傷したと発表した。
Kyrylenko知事によれば、午前11時30分頃(現地時間)の攻撃では、空から高性能爆弾が使用され、市内のガソリンスタンドとビルに損害を与えたという。
ウクライナ西部のフメルニツキー州でも、ある軍事目標が攻撃され、州知事は「5機の航空機が使用不能になった」と報告、燃料倉庫で火災が発生したことも明らかにしている。
南部のオデーサでも、墜落した自爆型ドローンの破片が港湾インフラを直撃、火災が発生したという。
また西部のリヴィウ、中部のキロヴォフラード州、ポルタヴァ州、ミコライウ州上空でも、ロシア軍のロケット弾やドローンが撃墜されたそうだ。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war live: morning explosions in Kyiv after Ukraine claims to have downed 37 missiles overnight – as it happened(5/29)
出典元:Kyiv Independent:Ukraine’s parliament passes additional sanctions against Iran(5/29)