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ロシア海軍のスパイだと疑われたシロイルカ（ベルーガ）が、スウェーデンの近海に姿を現した。（アイキャッチは2019年に撮影されたもの）

2019年にノルウェーに姿を現す

そのシロイルカとは、「Hvaldimir」だ。

「Hvaldimir」は2019年にハーネスを装着してノルウェーに現れ、ロシア海軍が訓練したスパイではないかとの憶測を呼んでいた。

しかし「Hvaldimir」はその後、3年以上かけてノルウェーの海岸線をゆっくりと移動。ここ数カ月で移動の速度を速め、5月28日にはスウェーデン南西部沿岸のフネボストランドで目撃されたという。

人間の作ったハーネスを着けていた

13～14歳と思われるこのシロイルカは、ノルウェーに姿を現した時、人間が作ったハーネスを着けていたそうだ。

その後、ノルウェーの海洋学者らがハーネスを取り外したが、そこにはカメラを取り付けるマウントが装着され、プラスチックの留め具には「Equipment St Petersburg（サンクト・ペテルブルク）」という文字が印刷されていたという。

しかも「Hvaldimir」が人間に慣れていたこともあり、ロシア海軍に訓練され、囲いから抜け出した可能性があるとの見方が示されていた。

ロシア側は当時、このシロイルカが「ロシアのスパイ」ではないかというノルウェーの憶測に対して、公式な反応を示さなかったそうだ。

健康状態は良好だが…

海洋生物学者であるSebastian Strand氏によれば、近年「Hvaldimir」の健康状態は非常に良好なようだという。

しかしStrand氏は、「Hvaldimir」がスウェーデンで餌を見つけることができるかどうかを懸念しており、すでに体重の減少が確認されているそうだ。

またスウェーデンに移動した理由も分かっていないが、Strand氏は「ホルモンの作用で仲間を見つけようとしたのかもしれません。あるいは、シロイルカは非常に社会的な種であるため、孤独なのかもしれません」と述べている。（了）

ロシア軍の生物スパイか？ノルウェーの沖合でハーネスをつけたベルーガを発見

出典元：The Guardian：Suspected Russia-trained spy whale reappears off Sweden’s coast(5/29)