ニュージーランドを含む謎の新大陸「Zealandia」、その存在の可能性が高まる
世界で8番目となる、最も小さな大陸が発見されたと主張する研究者らが現れ、話題となっている。
●6000万年から8500万年前に切り離される
その小さな大陸とは「Zealandia」。オーストラリアの東、ニュージーランドを含む約490万平方キロメートルの範囲とされるが、その94%は海に沈んでいるという。
大陸の発見を主張しているのはアメリカ地質学会に所属する11人の科学者たちで、彼らは先日、学会誌において「Zealandia: Earth’s Hidden Continent」というタイトルの論文を発表した。
その中で研究者らは、「Zealandia」が約6000万年から8500万年前にオーストラリアから切り離されたと考えられ、まぎれもなく世界で8番目の最も小さな大陸だと主張している。
●最新技術で4つの特徴が判明
研究者らによれば、そもそも地質学的見地から大陸とみなされるためには、4つの特徴・条件を必要としているという。
そして「Zealandia」という言葉が地球物理学者のBruce Luyendyk氏によって作られた1995年当時は、4つのうち3つの特徴しか備えていなかったらしい。
しかし今回、衛星技術や重力データから作られた海底マップを使い調査した結果、「Zealandia」が1つにつながった巨大なエリアであり、大陸としての4つの特徴を全て満たしていることが明らかになったそうだ。
その特徴とは例えば、異なったタイプの岩の存在なども条件の1つとされているが、決定的なのはそのエリアが海洋地殻によって沈んだ海底と比較しても、高い位置にあることだという。
●大陸のエリアに豊かな鉱物資源
無論、まだこの大陸のどの地域が、オーストラリアとニュージーランドのどちらに帰属するのかは決まっていない。
しかし英紙Telegraphによれば、海底の鉱物資源などの観点からしても、今後は政治的、経済的な課題が多岐にわたる可能性があるという。
実際に6年前に調査を行ったニュージーランドのGNSサイエンス調査研究所は、この地域の沖合に約100億ドル(約1.1兆円)相当の化石燃料が埋まっている可能性があると指摘している。
出展元:The Telegraph:Scientists discover ‘Zealandia’ – a hidden continent off the coast of Australia(2/16)