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幻の動物「タスマニア・タイガー」を発見するための調査が、来月にも行われる

幻の動物「タスマニア・タイガー」を発見するための調査が、来月にも行われる
flickr_Kelly Garbato

絶滅したとされる「タスマニア・タイガー」。それを発見するための調査が行われることとなり、期待が寄せられている。

50台以上のカメラを設置する予定

 

この調査を行うのはJames Cook大学などの研究者たち。彼らはオーストラリアの北東部に突き出た半島、ヨーク岬付近に50台以上の隠しカメラを設置する予定で、来月から調査の一部を開始するという。

 

しかもこの調査は過去に報告された、タスマニア・タイガーについての複数の目撃情報に基づき行われるそうだ。

 

flickr_Biodiversity Heritage Library

有力な2つの目撃情報

 

そのうちの1つの目撃情報を提供したのは、以前観光事業を営んでいたBrian Hobbsさんで、彼はタスマニア・タイガーらしき動物の家族を1983年に見たと報告している。

 

彼は豪メディアのABCラジオへの取材に対し、次のように語っているという。

 

「その動物は、これまでの人生で一度も見たことがないものでした。それらは犬の形をしていました。ただ私もシェパードを飼っていますので、犬がどういうものかは知っています。それは光の下では黄褐色をしており、体の横にはストライプがありました」

 

また元森林監視員のPatrick Shearsさんもそれらしき動物を見たと主張しており、取材に対し次のように答えている。

 

「地元のアボリジニ(先住民)は定期的にその動物を見たと報告してくれました。彼らは犬のような生物についてよく知っており、野生の犬のディンゴではなく、しばしば夜に目撃されると言っていました」

 

「またアボリジニの人たちは、その動物を『ムーンライト・タイガー』と呼んでいました。それは好奇心が強く、人が動かずに物音も立てなければ、一定の範囲まで近づいてきて調べ、そのまま立ち去っていくそうです」

 

flickr_Kelly Garbato

他の動物の特徴とは一致しない

 

しかし今回の調査を行うJames Cook大学のBill Laurance教授によれば、これらの目撃情報は信頼できるとしながらも、タスマニア・タイガーがそのような少ない数で生き延びている可能性は少ないという。

 

ただ彼はTelegraphの取材に対し、次のように語っている。

 

「今までの全ての目撃情報は、いずれも夜に見られたものです。1つの例では4頭が6mしか離れていない場所で観察されています。私たちは受け取った情報をさまざまな角度からチェックしました。目の色や輝き、体のサイズや形、生態、その他の特徴など、これらの情報は北部のクィーンズランドに生息する体の大きな動物、例えばディンゴや野生のブタなどの特徴とは矛盾しており、一致していません」

1936年に最後の1頭が死亡

 

タスマニア・タイガーは肉食性の有袋類とされ、かつてはオーストラリア本土にも分布していたと考えられている。

 

しかしディンゴの餌食となって本土から次第に姿を消し、タスマニアにだけ残されたという。

 

さらに入植者からも羊の脅威になると思われて、罠を仕掛けられたり狩猟の標的にされたりして数が激減。

 

1936年9月7日にタスマニアの州都、ホバートにある動物園で飼育されていた最後の1頭が死んでからは、絶滅したと考えられてきたそうだ。

 

またその後もタスマニア・タイガーの目撃情報は数え切れないほど寄せられたが、その多くが他の動物との見間違えだったりして、これまで一度も生存は確認されなかったという。

 

flickr_Kelly Garbato

調査する場所は公表せず

 

今回、Hobbsさんら2人が目撃したのはヨーク岬にある2つの離れた場所だとされているが、調査する地点については明らかにされていない。

 

恐らく生息域を第三者に知られないようにするためで、他の情報も極秘とされているようだ。

 

調査は4月の後半、川の水位が下がってから行われるようだが、もしタスマニア・タイガーが本当に発見されたならば、恐らく大きなニュースとして伝えられるに違いない。(了)

 

 

出展元:The Telegraph:Scientists hunt for extinct Tasmanian tiger after sightings in Australia(3/24)

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