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火星探査ローバー「オポチュニティ」が反応せず!NASAが緊急事態を宣言

火星探査ローバー「オポチュニティ」が反応せず!NASAが緊急事態を宣言
flickr_NASA on The Commons

火星で探査を続けてきた6輪のローバー(探査車)、「オポチュニティ(マーズ・エクスプロレーション・ローバーB) 」。先日、NASAはこのローバーと交信ができていないことを発表した。

 

低電力モードに入ったという見解

 

太陽光を動力源とする「オポチュニティ」は、5月30日に火星で起きた大規模な砂嵐に巻き込まれたという。

 

そしてNASAジェット推進研究所、「オポチュニティ・プロジェクト」マネージャーのJohn Callas氏は、ローバーが地球からのコマンドに反応していないと語り、「緊急事態」を宣言した。

 

彼は取材に対し次のように語っている。

 

「現時点での私たちの予想では、ローバーが眠りについていること、つまり低電力モード(スリープモード)に入っている状態だということです。そしてバッテリーが充電され、閾値を超えてエネルギーが十分蓄えられるまで、ローバーは低電力モードのままでいるでしょう」

 

この低電力モードでは全てのサブシステムの電源が切られ、電力レベルをチェックする時だけコンピューターが起動する状態になっているとか。

 

太陽が遮られ、気温が低下すると危険

 

「オポチュニティ」はもともと火星で90日間活動するよう設計されていたが、その後現在まで15年以上も探査し続けているという。

 

しかし今回、約3500万平方キロメール(火星の4分の1)に影響を与えた「スーパー・ストーム」によって、動くのに必要な太陽光が雲で遮られ、車体が凍りつくようなレベルまで気温が下がると、生き残れない恐れがあるそうだ。

 

しかも火星の砂嵐は数カ月続くこともあり、もしローバーに取り付けられた太陽光パネルが砂で覆われてしまうと、「オポチュニティ」は完全に停止する可能性もあるとか。

 

NASA

2007年の砂嵐も乗り越えてきた

 

しかし「オポチュニティ」は、2007年の広範囲に及んだ大規模な砂嵐も、なんとか乗り越えてきたという。

 

そのため今回も電源喪失や極寒の気温に対する懸念はあるものの、最小限のオペレーションが許される気温の中で、長期間待機すべきだとCallas氏も語っている。

 

またCallas氏は自信をのぞかせながら、「オポチュニティ」が砂に埋まっていないと発言。実際地球からの信号に反応はなかったものの、6月10日にはNASAのエンジニアがローバーからの伝送信号を受信し、十分バッテリーが充電されていることが分かったという。

 

そのためCallas氏は「私たちは嵐を乗り越えられるはずです。空が晴れ渡った時、『オポチュニティ』は出力が向上し、再び私たちと交信を始めるはずです」と語っている。(了)

 

出典元:METRO:Nasa declares Mars ‘spaceship emergency’ as it loses contact with Opportunity Rover(6/14)

出典元:INDEPENDENT:NASA’S OPPORTUNITY ROVER MAY HAVE DIED ON MARS, ENGINEERS FEAR(6/13)

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