ポンペイの遺跡で、キリスト降誕を表現した13体の小さな像を発見
イタリアにあるポンペイの遺跡から、キリスト降誕などを表わした十数体の小さな彫刻が発見された。
キリスト降誕や女神の像も
その小さな像が発見されたのは、ポンペイ考古学公園の住宅跡。建物の廊下と思われる場所の棚の上で、像は直立した状態になっていたという。
彫刻は13体あり、キリスト降誕のシーンを表現したものや、当時アジアなどで崇拝されていた女神「キュベレー」の像、おんどりの頭をしたもの、アーモンド、クルミ、松ぼっくりを表現した像もあったそうだ。
またこれらの像が発見された廊下の壁にも、装飾が施されていたという。
The tradition of nativity scenes dates back to more recent history, yet traces of ritual arrangements in houses are known from ancient times. pic.twitter.com/9g4Ppx7AWL
— Pompeii Sites (@pompeii_sites) December 22, 2023
異教の儀式として使われた可能性
ポンペイの都市は、西暦79年にヴェスヴィオ火山の噴火による、火砕流に飲み込まれてしまったが、当時人々はアポロやイシス、ウェヌスといった古代ローマ神を崇拝していたという。
まだキリスト教が普及する前だったためか、考古学者らは、今回発見された像が、異教の儀式の一部として使われたと考えているそうだ。
この小さな像は、「レダと白鳥の家」と呼ばれる場所で発見されており、そこにはギリシャ神話の官能的なフレスコ画が描かれ、現在も発掘と修復作業が行われている。
この家は、裕福な商人の所有物だったと考えられ、彼らは自分たちの高度な文化を表現したいと考えていたようだ。
ポンペイの遺跡は16世紀に発見され、古代都市の生活についての新たな洞察を提供し続けており、今月の初めにも、古代の奴隷たちが働かされていたパン屋の跡も発見されている。(了)
出典元:The Guardian:Nativity-style statuettes found at Pompeii said to suggest pagan ritual(12/24)