車ほどの大きさの巨大な節足動物、頭部の化石から姿が明らかに
ヤスデに似た古代の節足動物の化石が発見され、分析を通して、全体像が明らかにされた。
100年以上前から知られていた動物
その節足動物とは、「Arthropleura」だ。この生物については、18世紀から100年以上知られていたが、完全な頭部の化石は発見されていなかったという。
このため科学者たちは、「Arthropleura」と、ヤスデやムカデなどの現生の節足動物との関係を理解できなかったそうだ。
しかしフランスのMontceau-les-Mines Lagerstätteにある遺跡の岩石の中から、2匹の幼体の化石を発見。
それをスキャンしたところ、それが「Arthropleura」の頭部であることが判明したという。
体長2.6m、体重45kgを超えていた可能性
「Arthropleura」は古生代後期、つまり3億4600万年から2億9000万年前に、赤道付近の森林に生息していたと考えられている。
しかも当時の酸素が豊富な大気の中で、「Arthropleura」は体長2.6m、体重45kgを超えるまで、成長していた可能性があるそうだ。
今回発見された化石は保存状態が良く、CTスキャンによって、頭の側面から突き出た独特の柄のある目が確認されたという。
また緩やかに湾曲した触角や、小さなムカデのような下顎を持ち、全体的にはヤスデとムカデが融合したような特徴を持っていたそうだ。
このような「Arthropleura」の性質は、ヤスデとムカデの進化に関する疑問に答えるのに役立つと考えられている。(了)
出典元:Livescience:Never-before-seen head of prehistoric, car-size ‘millipede’ solves evolutionary mystery(10/10)