ISSから帰還した飛行士4人全員が病院へ搬送、NASAは理由を発表せず
スペースX社の宇宙船「ドラゴン」で地球に帰還したNASA(アメリカ航空宇宙局)の宇宙飛行士4人が病院に運ばれ、うち1人は「状態は安定しているが、用心のために」そのまま入院することになった。彼らに何があったのかは、具体的には発表されていない。
国際宇宙ステーションで200日以上過ごす
4人は、NASAの有人宇宙飛行ミッション「Crew-8(クルー8)」のメンバー。彼らを乗せた宇宙船は、10月25日の早朝(アメリカ時間)、フロリダ沖の海に着水した。
彼らは今年3月に国際宇宙ステーション(ISS)に向かって地球を発ち、8月にはまた地球に戻る予定だった。だが、様々な事情が重なり、帰還する時期が10月にずれ込んだ。そのため、180日の予定だった滞在期間が235日に延びた。
宇宙飛行士がISSに滞在する期間は、長期の場合でも基本的に約182日までということになっている。ISS内での生活が長くなると、飛行士の健康に悪影響があり、期間が長いほど健康への害が増すからだ。例えば骨強度や筋力の低下、視覚障害、腎臓結石、心血管疾患などが害として挙げられる。
ただ、現在のところNASAからの発表は何もないため、今回の飛行士の入院の原因が長期滞在に起因するものであるとは言い切れない。
「ドラゴン」宇宙船に不具合か?
NASA宇宙安全諮問委員会(Aerospace Safety Advisory Panel)のKent Rominger氏によれば、4人を乗せた「ドラゴン」宇宙船が着水する時、4つあるパラシュートの1つがうまく開かなかったとのこと。
また、「ドラゴン」を打ち上げたロケット「ファルコン9(Falcon 9)」にも、これまでに複数の不具合が生じていたとRominger氏は指摘する。
こうしたトラブルの多さを考えると、4人の乗った「ドラゴン」の機器類が何らかの不具合を起こし、それが飛行士たちの体に影響したとも考えられる。(了)
出典元:Mail Online:Mystery as four NASA astronauts are rushed to hospital without explanation after returning from space(11/4)