火星にある全長1300kmもの峡谷、ESAが動画を公開

火星にある長い峡谷の映像が、欧州宇宙機関(ESA)によって作られ、公開されている。
峡谷が果てしなく続いていく
その動画は、火星探査機「マーズ・エクスプレス」のデータに基づいて作成され、火星にある「シャルバタナ峡谷」を上空から捉えたものだという。
この峡谷は全長が1300kmもあり、動画にも峡谷が曲がりくねりながらも、迷路のように果てしなく続いていく様子が映っていた。
また途中にはいくつものクレーターが残されており、詳細な火星の表面を観察することができる。
高地から平原へ向かう様子
ESAは声明で、次のように説明している。
「(この峡谷は)ザンテ・テラの高地からクリセ平原の、より滑らかな低地へと流れています。数十億年前、この水路を水が押し寄せ、今日私たちが目にする多くの地形が作られました。ツアーのクライマックスは、火星の表面に宇宙岩石が衝突した際にできた、幅100kmの衝突クレーターの壮大な眺めです」
「ザンテ・テラ」とは、1979年に国際天文学連合(IAU)が、火星のこの地域に付けた名前で、意味は「黄金色の土地」になるという。
動画を見たドイツ宇宙機関(DLR)は、南部の高地のクレーターが徐々に滑らかになり、北部にある低地の、より平坦な平野へと変わっていく様子が見られると指摘。
また過去に、大量の水を伴う壊滅的な洪水の際に形成されたと考えられる、広く深く刻まれた谷構造の溝も確認できると述べている。
探査機「マーズ・エクスプレス」は2003年から火星に滞在しており、当初は2年間のミッションが予定されていた。しかし20年以上の運用を経てもなお、探査機は健全な状態を保っているという。
そのため科学的成果に基づいて、複数回のミッションの延長が認められているそうだ。(了)
出典元:Livescience:Soar through a 1,000-mile-long maze on Mars in this mesmerizing new satellite video(10/7)