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失われた中世の都市、キルギスの湖底で発見

失われた中世の都市、キルギスの湖底で発見
Russian Geographical Society_Elizaveta Romashkina

中央アジアに位置するキルギス共和国で、失われた中世の都市が、科学者によって発見された。

 

15世紀に大地震により水没

 

ロシア地理学会の声明によると、研究者たちはキルギスとカザフスタンの国境に近い天山山脈の高地にある、イシク・クル湖を調査していたという。

 

その際、研究者たちは、水没した中世都市の遺跡を発見。そこには石造りの建造物や、商業施設の跡地、広大な墓地も含まれていたそうだ。

 

もともとこの土地は、中国と西洋を結ぶシルクロードの1つの重要な中継地点だったが、15世紀に大地震に見舞われ、都市が湖に水没したと考えられている。

 

Russian Geographical Society_Denis Davydov

レンガ造りの建物や石造建築物を発見

 

イシク・クル湖は世界で最も深い湖の1つで、一部は水面下700mにも達するという。

 

研究者らは、湖の北西岸付近にある、水深1mから4mの水没した遺跡、4カ所を調査したそうだ。

 

中世には、この場所に「Toru-Aygyr」と呼ばれる、主にイスラム教徒の集落があったと考えられている。

 

調査の結果、研究者たちは、窯焼きレンガ造りの建物の遺跡をいくつか発見。その建物の中には、穀物の製粉所であったことを示す石臼が置かれたものもあったという。

 

また崩壊した石造建築物、木製の梁、そしてモスクかイスラム学校(マドラサ)だったと思われる、外装装飾のある公共建築物の遺構も発見されたそうだ。

 

広大なイスラム教徒の墓地を発見

 

さらに6ヘクタールの面積(サッカー場11面分)を占める、イスラム教徒の墓地の遺構も見つかったという。

 

この墓地は13世紀頃のものだと考えられ、研究チームは墓地から遺体2体の収容に成功。遺体の顔は、サウジアラビアのメッカの方向を向いていることも突き止めた。

 

「Toru-Aygyr」は13世紀以前に建設された当時、多文化都市であり、人々は仏教やキリスト教など、さまざまな宗教を信じていたという。

 

そしてイスラム教は、1240年代から1502年まで中央アジアの大部分を支配したモンゴル帝国の一部、ジョチ・ウルス(キプチャク=ハン国)によってもたらされたそうだ。

 

この調査に参加したキルギス研究団のリーダーである考古学者の、Valerii Kolchenko氏は声明で「15世紀初頭、恐ろしい地震の結果、この都市は湖の水面下に沈みました。その悲劇はポンペイにも匹敵します」と述べている。(了)

 

出典元:Livescience:Sunken city discovered in Kyrgyzstan lake was a medieval hotspot on the Silk Road — until an earthquake wiped it out(11/18)

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