スペインの「ストーンヘンジ」と呼ばれた遺跡、約50年ぶりに湖から姿を現す
約7000年前に作られたスペインにある巨石のモニュメントが、干ばつの影響で湖の底から姿を現した。
約50年ぶりに完全な形で姿を現す
そのモニュメントとは「グアダルペラルのドルメン(Dolmen of Guadalperal)」。100個以上の大きな岩が円形に並べられており、スペインの「ストーンヘンジ」と呼ばれているという。
この遺跡はマドリードの西部、ナバルモラル・デ・ラ・マタの街の付近にあるのだが、1960年代にスペイン政府が電力を賄うために水力発電を建設。そこへ水を供給するために貯水池を作った結果、1963年には水没してしまったそうだ。
もっともその後も水位の変化により、大きな石の先端部分が見えることもあったそうだが、今回極端な干ばつの影響で湖の水位が下がり、約50年ぶりに完全な形で姿を現した。
1920年代にドイツ人考古学者が発掘
「グアダルペラルのドルメン」の遺跡は1920年代にドイツ人の考古学者、Hugo Obermaier氏によって発掘されていたが、1960年代まで公に発表されていなかったという。
しかもその後は、貯水池ができ、水が注がれたことによって水底へ沈んでしまうことに。
考古学者は、この遺跡が巨大なストーンキャップを備えた、密閉構造の一部と考えているそうだ。
そしておそらく遺跡は、お墓や貿易拠点、または宗教儀式を行う場所として使われたとみられている。
イギリスにあるストーンヘンジが今から4500年前から4000年前頃に作られたとみられていることから、この「「グアダルペラルのドルメン」はそれより2500年か、3000年も古いことになる。
ヨーロッパを襲った熱波の影響で今年の7月や8月は、スペイン中で平均よりも気温が高く、乾いた気候が記録されたという。(了)
出展元:NBC:Drought exposes long-submerged ‘Spanish Stonehenge’ monument(9/29)