100万年前に生息した翼竜、4種の新種を発見、その特徴とは?
約100年前に生息した翼竜の新種とみられる4種の化石が発見されていたことが判明し、注目が集まっている。
川の生態系を構成していた4種の翼竜
この研究を発表したのは、英国ハンプシャー州ポーツマスに位置するポーツマス大学の古生物学者を中心とする国際的な研究チームで、研究成果は科学ジャーナル「Cretaceous Research」に掲載された。
翼竜は爬虫類の分類群である“主竜類”と呼ばれるものに属する生物であると考えられており、ジュラ紀と白亜紀に生息した。昆虫の次に自ら飛翔する能力を得た生物であるとされ、でっぱりのようなものが複数存在する空洞の骨、そして大きな脳を持つのが特徴だ。
4種の新種の翼竜は、モロッコ南東に位置する“ケムケム層”と呼ばれる地層での発掘作業で発見されたという。
同研究においては、最初に3種の新種となる翼竜が発見された後、続いてもう1種の存在も判明。
これら4種の翼竜は約100年前の太古のアフリカ大陸における川の生態系を構成していたとみられている。
新種の翼竜とはどんな生き物?
それでは今回発見された新種の翼竜とは、一体どんな生物だったのだろうか。
研究者らによると、発見された翼竜は白亜紀中期のケムケム層から発掘された顎と歯の塊によって同定されたという。
そのうち3種は“オルニトケイルス”と呼ばれる属に分類され、全長約3~4メートルにもなる翼とスパイクのように鋭く巨大な歯を持ち、飛行しながら水中に潜む魚を捕食していたとみられている。
一方で先に発見された3種に続いて見つかったもう1種は、“タペヤラ属”という仲間に分類されるもの。
こちらも翼の全長は4メートルほどと他の3種と変わらぬ大きさであるが、前頭部に大きく広がる「とさか」のようなものがあるのが特徴的だ。
さらにこの新種には歯がなく、先に発見された3種が鋭い歯を持っていたのとは対照的となっている。
アフリカの進化史解き明かす鍵に?
他方で今回の発見は、多くの未知の恐竜が生息していた時代におけるアフリカの進化史について、その謎を解き明かす手助けとなる可能性をも秘めている。
ポーツマス大学の教授で今回の研究を率いた David Martill氏は、「モロッコの資料の研究を通して判明したのは、我々は未だ北アフリカにおける古生物学上の宝の全てを発見するには、ほど遠いということだ」という。
「新たな発見は、アフリカの翼竜の世界への重要な(研究の)機会をもたらすものだ」
こう語るのは米国ミシガン州デトロイトのデトロイト・マーシー大学の生物学助教であり、今回の研究に参加したNizar Ibrahim氏だ。
「我々はヨーロッパやアジアといった土地の翼竜についてはより多くのことを知っているため、アフリカからの新たな事例について評するのは常に非常に心躍ることだ」
今回発見された4種類の新種の翼竜たち。この発見が翼竜と太古のアフリカの謎を解明する鍵となることを期待したいところだ。(了)
出典:University of Portsmouth:International team discover new species of flying reptiles (3/25)
出典:University of Portsmouth:Fourth new pterosaur discovery in matter of weeks (4/2)
出典:Daily Mail:New species of flying reptile with spiked teeth discovered that formed part of an ancient river ecosystem in the Sahara 100 million years ago(3/25)
出典:Smithsonian:Four New Species of Prehistoric Flying Reptiles Unearthed in Morocco(4/3)