筑波大学

日本の兵庫県で、これまでにないほど小さな恐竜の卵の化石が発見された。

昨年の3月までに発掘調査

この調査を行っていたのは、筑波大学生命環境系の田中康平助教とカナダ・カルガリー大学、カナダ・王立ティレル古生物博物館、兵庫県立人と自然の博物館などの国際研究チームだ。

彼等は2019年1月から3月にかけて、兵庫県丹波市にある地層で、大規模な発掘調査を実施したという。

そして、これまでに恐竜化石が見つかっていた地層よりも上位の層準から、形状を留めた卵化石（4点）や卵殻片の化石（約1300点）を収集したそうだ。

兵庫県丹波市は前期白亜紀（約1億1000万年前）の地層（篠山層群大山下層）が露出し、竜脚類恐竜（丹波竜）や卵殻化石などを産する国内の一大恐竜化石産地として知られている。

世界で最も小さな恐竜と判明

これらの卵殻は4種類に分けられ、そのうち1種類は新卵属・新卵種で、別の1種類は新卵種であることが判明。

新卵属・新卵種の恐竜は、丹波竜の発見者の村上茂氏にちなみ、ヒメウーリサス・ムラカミイと命名。もう1つの新卵種の恐竜を、サブティリオリサス・ヒョウゴエンシスと命名したという。

またこれらの恐竜はすべて獣脚類恐竜に属すると考えられ、ヒメウーリサス・ムラカミイは現時点で世界最小の非鳥類型恐竜類卵であることが判明。卵の大きさから、親の体重は推定2kg弱程度で、全身が羽毛で覆われていた可能性があるそうだ。

今回の発見により、骨化石では分からなかった多様な小型獣脚類恐竜の存在が明らかになったとしている。

さらにこれまでの報告も合わせると、兵庫県丹波市では合計6種類の恐竜卵殻化石が確認されたことになり、前期白亜紀の地層において、世界で最も卵殻化石の種類が豊富な地域であることが判明したという。（了）

出典元：筑波大学：世界最小の恐竜卵化石を発見！　～多様な小型恐竜の存在判明、兵庫県丹波市の卵殻化石群で～(6/23)