中国の探査機が月面への着陸に成功、2kgの土壌を地球へ持ち帰る予定
中国のもう1つの探査機が先日、月面着陸に成功し、その様子がネットでも公開されている。
無人月面探査機の「嫦娥5号」
11月24日に打ち上げられた、中国の無人月面探査機の「嫦娥5号」が無事に月面に軟着陸した。
「嫦娥5号」は地球に最も近い月の側面、「嵐の大洋」として知られている地域のそばにある火山「リュムケル山」に着陸したという。
そして探査機は数日間、周囲を調査する予定で、その後月面のサンプルを回収し、地球に持ち帰る計画とされている。
ただし。着陸機にはヒーターユニットが搭載されておらず、月の夜に耐えることができないため、今回の探査には時間的な余裕がなく、地球時間で14日間のうちにサンプルを採取しなければならない。
CCTV-13 just ran this. #China #Moon #Change5 pic.twitter.com/gxXBNr7mz6
— Jonathan Amos (@BBCAmos) December 1, 2020
土壌やレゴリスなど回収予定
この探査機はカメラやレーダー、分光計、ドリルなど数多くの装置を備えているという。
この探査の目的は、月の土壌やレゴリス(堆積層)など2kgを採取すること。その後、サンプルを積んだ探査機は月の軌道を回っている宇宙船まで上昇し、それにより地球へ届けられるそうだ。
月の土壌などが地球へ運ばれるのは44年ぶり。ソビエトの「Luna 24号」のミッションにおいて200gを持ち帰って以来のこととされている。そしてもし今回のミッションが成功すれば、中国は米国と旧ソ連に続く3カ国目となる。
Come and watch how China’s Chang’e 5 lunar probe collects lunar samples. pic.twitter.com/Wc0iFtuqqy
— Wu Lei 吴磊 (@wulei2020) November 25, 2020
NASAの科学者も着陸成功を祝福
また打ち上げの時とは異なり、探査機の月面への着陸の様子は生中継されず、無事に着陸が確認された後に、メディアなどで映像が流されたという。
今回の着陸成功についてNASAの科学者であるThomas Zurbuchen博士は祝福しており、次のように語っている。
「月でサンプルを採取し、地球に持ち帰った暁には、国際科学コミュニティーが進歩するよう、この貴重な積荷をみんなが研究でき、有益なものが得られることを願っている」
サンプルを積んだカプセルは、12月16日か17日頃には地球に戻ってくる可能性があるそうだ。(了)
出典元:BBC:China’s Chang’e-5 Moon mission probe touches down(12/1)
出典元:Tech Crunch:中国の月着陸船「嫦娥5号」が月面着陸に成功、米国、旧ソ連に続く3カ国目の土壌採取に挑戦(12/2)