豪の珊瑚礁で暮らす熱帯の魚、81年間も生きつづけてきた可能性
オーストラリアの珊瑚礁で暮らす魚が、信じられないほど年齢を重ねていたとする研究結果が発表された。
第一次世界大戦中に孵化した魚も
その魚とは「Midnight snapper(Macolor macularis:フエダイの仲間)」だ。この魚は2016年、西オーストラリア州の街、Broomeから沖合300kmほど離れた珊瑚礁「Rowley Shoals(浅瀬)」で捕獲されたという。
そして調べた結果、この魚が81歳であると考えられることがわかったそうだ。
また1997年に、同じく「Rowley Shoals」で捕獲されたもう1匹の魚「Red bass(Lutjanus bohar:フエダイの仲間)」も79歳と考えられ、第一次世界大戦中に孵化していた可能性が明らかにされた。
魚の耳石を調査し、年齢を判別
研究者らは今回、60歳以上と思われる11匹の魚を特定。その後、木の年輪と同じように魚の年齢を表す「耳石」を調べたという。
その結果、「Midnight snapper」が1935年生まれであることが判明。さらにもう1匹の魚も含め2匹が、これまで考えられてきた長寿の記録を約20年以上も上回ることを確認したそうだ。
研究に携わったAustralian Institute of Marine ScienceのBrett Taylor博士は、次のように語っている。
「今まで、私たちが熱帯の浅瀬の海で捕獲した最も年齢が高い魚は、60歳でした。私たちはここで80歳になっている、おそらくもっと高齢の2つの種を特定しました。(略)珊瑚礁で暮らす魚が80年間も生きているとは、信じられません」
またTaylor博士によれば、今回のような研究は、気候変動がどれだけ魚の成長や年齢に影響を与えるかを知ろうとする海洋生物学者にとっても、役立つという。(了)
出典元:Australian Institute of Marine Science:Octogenarian snapper found in WA becomes oldest tropical reef fish by two decades(12/1)
出典元:INDEPENDENT:Scientists find 81-year-old snapper, the world’s oldest tropical reef fish(12/2)