FDAが新型コロナ・ワクチンのアレルギー反応を調査、原因は化学物質か?
ファイザー/ビオンテックが開発した新型コロナ・ワクチンを接種した人に、アレルギー反応が出たことについて、現在調査が行われている。
全米で6人に激しいアレルギー反応
先週、アメリカではファイザーなどの新型コロナ・ワクチンの接種が行われ、全国で6人に激しいアレルギー反応の「アナフィラキシー」の症状が出たという。
このため米食品医薬品局(FDA)は、調査を進めており、同局の「生物製剤評価研究センター」に所属するPeter Marks博士は、12月18日に記者会見を開いた。
会見において、Marks博士はアラスカ州を含む、1つ以上の州で、ワクチンを接種した人にアレルギー反応が確認されたと報告。
さらにアレルギー反応を引き起こす「犯人」が、ファイザーやモデルナのワクチンでも使われている化学物質「PEG(ポリエチレングリコール)」である可能性を指摘した。
「ポリエチレングリコール」とは?
この「PEG(ポリエチレングリコール)」は、壊れやすいmRNA鎖をコーティングする役割を果たすと見られ、Marks博士によれば、「PEG」に対するアレルギー反応は以前考えられていたよりも、いくらか一般的になっているという。
イギリスでも先々週、ファイザーのワクチンを接種された2人の医療従事者が、アレルギー反応を示したため、その後同国の規制当局は、薬や食べ物に対して重度のアレルギーを持つ人や、アナフィラキシーを経験した人に対し、ワクチン接種をしないよう呼びかけた。
しかしFDAは、通常のアレルギーを持っている多くのアメリカ人には、ワクチン接種は安全だとの見解を示し、やはり以前食べ物や特にワクチンに対して重度のアレルギー反応を示した人だけに、接種を避けるよう呼びかけている。
またFDAは12月18日に承認されたモデルナのワクチンに関しても、やはり重度のアレルギー反応を経験したことのある人には、接種すべきではないと述べたという。(了)
出典元:Reuters:FDA investigating five allergic reactions after Pfizer shot in U.S(12/19)