英で新たな変異株を確認、南アと同じ「E484K」の変異を起こしている
イギリスで再び新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかり、懸念が広がっている。
南アフリカ由来と同じ箇所が変化
イングランド公衆衛生サービスは、イギリスのいくつかの地域で、遺伝的に新しく変異した新型コロナの変異株を調査しているという。
そして検査において、そのウイルスが、すでに南アフリカで見られる「E484K」と呼ばれる変異を起していることが示された。
この新たな変異株の症例は、イングランドの南西部にあるブリストルで11例、リバプールで起きたクラスターで32件が確認されたそうだ。
イギリス型やオリジナルからの変異株
南アフリカ由来の変異株に関する緊急調査は、すでにイングランドで始められており、「E484K」の変異を持つさまざまな亜種が見られる他のエリアでも、調査が展開される可能性があるという。
そしてブリストルなどのイングランド南西部では、イギリス(ケント)由来の変異株において「E484K」の変異が認められたケースが、21万4159の検体のうち11件見つかった。
またリバプール付近のエリアでは、もともと(オリジナル)の新型コロナウイルスにおいて「E484K」の変異しているものが見つかっているそうだ。
「予想外ではないが、心配な展開」
もっとも新型コロナは絶えず変異しており、新たな変異株が見つかることは、決して予期されなかったことではない。すべてのウイルスは、自分自身の新しいコピーを作成して拡散していく時に変異を起こすからだ。
しかしレスター大学のウイルス専門家であるJulian Tang博士は、この発見を「完全に予想外ではないが、心配な展開」と説明。その上で次のように呼びかけている。
「ウイルスがさらに変異する機会を防ぐために、人々がロックダウンの規則に従い、症例を減らすことが重要です。もしそうしなければ、ウイルスは広がり続けるだけでなく、進化する可能性もあります」
南アフリカ由来の変異株に関しては、ワクチンの効果が薄れるとする研究もある。
その一方、モデルナの初期研究では、体の免疫反応はそれほど強くないか、または長くは続かないかもしれないが、ワクチンがこの変異を起した株に対して依然として有効であることを示唆している。(了)
出典元:BBC:UK finds more coronavirus cases with ‘concerning’ mutations(2/2)
出典元:WION:UK finds more Coronavirus cases with ‘concerning’ mutation(2/3)