Switch news

知っておきたい世界のニュース

世界のトンボの16%が絶滅の危機にある…研究者が警鐘を鳴らす

世界のトンボの16%が絶滅の危機にある…研究者が警鐘を鳴らす
flickr_Kristin "Shoe" Shoemaker

先日、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリスト(絶滅の恐れがあるリスト)が更新され、世界のトンボが急速に減少していると発表された。

 

原因は湿地の減少

 

IUCNのレッドリストによると、6016種のトンボとイトトンボのうち、約16%が絶滅の危機に瀕しているという。

 

この原因は湿地の減少にあるとみられ、湿地の減少は、都市化と持続不可能な農業が原因だと考えられている。

 

例えば東南アジアでは、パーム油などの作物を栽培するために熱帯雨林や湿地帯が伐採されており、湿地帯の生息地の破壊が、トンボの個体数の減少の原因となっているそうだ。IUCN事務局長のBruno Oberle博士は次のように述べている。

 

「湿原やその他の湿地は、炭素を貯蔵し、きれいな水と食料を与え、洪水から私たちを守り、さらには世界の既知の種の10分の1に生息地を提供しています。しかし、これらの生態系は、森林の3倍の速さで消滅しているのです」

 

「世界の湿地帯の35%が失われた」

 

レッドリストの責任者であるCraig Hilton-Taylor氏も、BBCの取材に対し、次のように述べている。

 

「最新の科学的評価によると、1970年から2015年の間に世界の湿地帯の35%が失われました。この消失の割合は増加しているようです。湿地は埋め立てられなければならない荒れ地であるという認識が原因ですが、実際には湿地はとても重要なものです。私たちは、この美しい昆虫(トンボ)を紹介し、それらが失われる危険性があることを強調することで、世界の湿地を守るためにもっと努力しなければならないというメッセージを広めることができると期待しています」

 

12月9日に行われたレッドリストの更新により、絶滅の危機にある種が4万を超えたという。

 

また今回はフランス、ポルトガル、スペインの河川にしか生息していない半水生の「ピレネーデスマン(モグラ科)」も、「脆弱」から「絶滅危惧」に引き上げられたそうだ。(了)

 

出典元:BBC:Dragonflies disappearing as wetlands are lost(12/9)

出典元:INDEPENDENT:Dragonflies at risk of extinction as world’s wetlands disappear(12/9)

記事が気に入ったら
Switch Newsをフォローしよう!


Return Top