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コンピューターのチップを脳に埋め込まれた男性、考えるだけでツイートに成功

コンピューターのチップを脳に埋め込まれた男性、考えるだけでツイートに成功
Twitter/Thomas Oxley

体の不自由な男性が、考えるだけで直接ツイッターにメッセージを投稿することに成功した。

 

ALSを患い、2020年にチップを埋め込む

 

その男性とは、オーストラリア人のPhilip O-Keefeさん(62)だ。

 

彼は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患っており、2020年4月には病状が悪化。体が麻痺し、自立活動ができない状態になったため、ニューロテック企業の「Synchron社」が開発した、コンピューターチップを脳に埋め込まれたという。

 

そして今回、考えるだけで直接ツイッターに投稿することに成功した。その投稿は「Synchron社」のCEOであるThomas Oxley氏のアカウントに投稿されたそうだ。

 

 

O-Keefeさんは最初のツイートを投稿した後、さらに7つのツイートも行い、Twitterユーザーからの質問に答えている。

 

また最後の投稿では「私の願いは、人々が思考を通じてツイートするための道を、私自身が開くことです」と述べている。

 

電子メールやゲームも可能に

 

「Synchron社」が開発したデバイスは「ステントロード」と呼ばれ、脳手術を避けるために頸静脈から脳に挿入されたという。

 

その後、O-Keefeさんは、電子メールで家族や同僚と再びコミュニケーションが取れたり、ソリティアなどの簡単なゲームをプレイできたりするようになったそうだ。

 

Synchron社のプレスリリースによると、オキーフ氏はこのツイートを投稿した後、次のように語ったという。

 

「この技術のことを初めて知った時、これによってどれだけの自立を取り戻せるか分かりました。このシステムは驚くべきもので、まるで自転車の乗り方を学ぶようです。練習は必要ですが、転ぶのを繰り返せば、自然にできるようになります。今は、コンピューターのどこをクリックするかを考えるだけで、メール、銀行、買い物、そしてTwitterで世界中にメッセージを送ることができます」

 

「ツイートはBCIにとって重要な瞬間」

 

「Synchron社」のThomas Oxley氏も、次のように述べている。

 

「この楽しい休日のツイートは、実は埋め込み型ブレイン・コンピューター・インターフェース(BCI)の分野にとって重要な瞬間なのです。このツイートは、BCIが、O-Keefeさんのように麻痺のために機能的自立の多くを奪われた人々に、繋がりや希望、自由を与えることを強調しているのです」

 

「Synchron社」はBCI技術を大きく前進させるニューロテックの新興企業の1つで、来年にもアメリカで人間を使った研究を進める予定だという。

 

またイーロン・マスク氏の「ニューラリンク」も2022年に人間への実験を開始する予定と言われている。(了)

 

出典元:BRAIN CHIP ALLOWS PARALYSED MAN TO POST FIRST EVER ‘DIRECT-THOUGHT’ TWEET(12/28)

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