英保健当局が「オミクロン株」の新たな系統「BA.2」を、「調査中の変異株」に指定
イギリスの保健当局が、「オミクロン株」の新たな系統を特定し、現在調査が進められている。
「調査中の変異株」に指定
英保健安全保障庁(UKHSA)によれば、「オミクロン株(BA.1)」の亜種とされたのは「BA.2」で、「調査中の変異株」に指定されたという。
1月10日までにイギリスで確認された「BA.2」の塩基配列はわずか53件で、現在さらなる分析を行っているそうだ。
一方、REUTERSは、イギリスで426例に及ぶ「BA.2」の塩基配列を特定したと伝えている。また「BA.2は、オミクロンとデルタを容易に区別するのに役立つ、特定の変異を有していない」とも報じた。
ワクチンも有効である可能性
デンマークの初期研究では、オリジナルの「オミクロン株」と「BA.2」との間では、入院患者数に差はないとしている。
またデンマークの保健当局によれば、ワクチンも「BA.2」に対して重症化予防に有効であると予想されているという。
ただし、さらに感染力が高まる可能性があるかどうかを検証するためには、より多くのデータが必要だとしている。
UKHSAは先週、イギリスを含む22カ国のオンライン・データベースに「BA.2」の遺伝子配列が2093件記録されていることを明らかにした。
一方、REUTERSは、デンマークやイギリス、インド、スウェーデン、シンガポールなど40カ国で「BA.2」が報告されていると伝えている。
UKHSAのMeera Chand博士は、「進化し変異するのがウイルスの性質」であるため、オミクロンの変化した形は予想外ではなかったと述べている。
感染力はオリジナルより強い?
デンマークの保健省の一部となる「Statens Serum Institut」によれば、入院患者数はオミクロンの2つの系統で差がないようだが、「感染力とワクチンの効率などに関する分析が、現在進行中」だという。
また「BA.2感染時の重症化に対しても、ワクチンの効果が期待される」と述べている。
ただし一部の専門家は、この亜種が「本来の」オミクロンよりも早く広がる可能性があると指摘。インペリアル・カレッジ・ロンドンのウイルス学者であるTom Peacock氏も、次のようにツイートしている。
「複数の国で絶えず増加していることは、BA.2がBA.1よりもある程度感染力が強い可能性を示しています。残念ながら、証拠はほとんどここで終わっている。我々は現在、抗原性、重症度、BA.2がBA.1よりもどの程度感染力が強いかなど、多くの証拠について、しっかりと把握できていません。しかし、我々は初期の観察やいくつかの推測をすることはできます」
REUTERSもUKHSAの言葉として、「初期の分析では、オリジナルのオミクロン系統であるBA.1と比較して、(BA.2の)増殖速度が速いことが示唆されている」と報じている。(了)
出典元:Sky News:Omicron ‘sub-lineage’ BA.2 designated as COVID variant under investigation, says UKHSA(1/21)
出典元:REUTERS:UK designates Omicron sub-lineage a variant under investigation(1/22)
出典元:INDEPENDENT:Omicron sub-variant BA.2 ‘under investigation’ by UK health officials(1/21)
出典元:euronews:‘Stealth Omicron’: Is subvariant BA.2 a more transmissible strain of COVID and should we be worried?(1/21)