科学者が死んだ鳥でドローンを製作、生きていた時の飛び方を再現
アメリカ·ニューメキシコ州の科学者たちが、テクノロジーの力で、死んだ鳥に新たな命を吹き込んでいる。
剥製を使って飛翔の研究
ニューメキシコ州ソコロ市にあるニューメキシコ工科大学の科学者チームは、鳥の剥製をドローンに改造して飛翔の研究を行っている。
プロジェクトリーダーであるMostafa Hassanalian教授は、翼を羽ばたかせて飛ぶドローンの研究が専門で、これまで人工素材で機械仕掛けの羽ばたきドローンを作ってきた。
ところがある時、人工的に設計したドローンでは効率性の面で本物の鳥を超えられないことに気づいたそうだ。
そこで教授は、本物の鳥の剥製に機械を仕込んだドローンを作った。そして、その鳥が生きていた時の重量や羽ばたく頻度、羽ばたく際の翼の角度などを計算し、生きた鳥と同じような飛び方を再現した。
Hassanalian教授の研究チームがこのようなことを行っているのは、自然界の鳥からエネルギー効率の良い飛び方を学び、それを飛行機やドローンに応用して燃料を節約できるようにするためだ。
現在出来上がっている剥製ドローンのプロトタイプは、連続して飛行できる時間が20分しかない。直近の課題は、この時間を延ばすことなのだそう。そして野鳥の群れと共に飛ばして、編隊飛行時のデータなどを収集しようと教授は考えている。
スパイドローンとして使われる心配
遠目には本物の鳥が飛んでいるように見えるこのドローン、海外メディアによれば、プライバシー擁護者たちの間に不安をもたらしているそうだ。
軍用のスパイドローンとして使えば確かに役立つだろう。ただ、軍や警察がこれを使って一般市民の生活を監視するということも、あり得ない話ではない。
Hassanalian教授もその可能性は否定していない。しかし、あくまで「私たちの主目的は、野生の鳥たちをモニタリングしたり、野生生物の生態を理解することです」と主張している。(了)
出典元:Reuters:Dead birds get new life: New Mexico researchers develop taxidermy bird drones(4/14)
出典元:Metro:Stuffed dead birds converted into drones for research(4/14)
出典元:New York Post:Professor turns dead birds into drones(4/13)