中国の山頂に建つ2つの寺、まるでおとぎ話のよう
中国南西部、武陵山脈の中にある梵浄山(ぼんじょうさん/Fanjingshan)には、おとぎ話にでも出てきそうな光景がある。垂直に切り立った岩山の天辺に、橋で繋がった2つの小さなお寺が建っている。
元々は500年前に建てられた寺
红云金顶(紅雲金頂)と呼ばれる梵浄山の頂きにあるこの寺。元々は、今から500年以上前、明王朝時代に建てられたもの。垂直に立つ岩の上に、当時、どうやって建築資材を運んだのかは今でも分かっていないそうだ。
現在ある寺は、当時の姿そのままに建て直されたもの。厳しい自然環境に耐えられるよう、金属製タイルなどといった最新の資材が用いられている。
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2つの寺の一方は、仏教の開祖である釈迦を祀ったもので、「現在」を象徴していると言われる。もう一方は、釈迦の次に現れるとされる弥勒菩薩を本尊とする寺。こちらは未来を象徴しているそうだ。
2つの寺を隔てる岩の切れ込み「金の剣の狭間」の上には、小さなアーチ橋が架かっている。
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明時代や清時代の古文書には、この近辺で不思議な光と影が目撃されたという記録があるらしい。当時の人々はそれを、弥勒菩薩の出現として崇めたそう。
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8000段の階段を登る
この寺を訪れるには、岩山の南側にある8000段の階段を登らなければならない。すると、まず到着するのは「現在」を象徴する釈迦の寺。そこから橋を渡って、弥勒菩薩の未来の寺に行く。
メディアによれば、ここは人気の観光スポットで、中国内外から多くの人が訪れるそうだ。SNSには、階段を登る人たちを映した動画も投稿されている。
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この寺がある梵浄山は、全体が仏教の聖地とされている。古くは数えきれないほどの寺があったが、そのほとんどが16世紀に破壊されてしまったらしい。それでも約50の寺が残っている。
また、梵浄山のある地域一帯は貴重な野生動物が棲む原生林であり、1982年から国連の生物圏保護区に指定されている。2018年には世界自然遺産に登録された。(了)
出典元:Odditycentral:The Stunning Twin Temples Atop China’s Holy Mount Fanjing(12/15)
出典元:Wikipedia:梵浄山