イタリアで発売予定の「青いワイン」、専門家から批判を浴び物議を醸す
「青いスパークリング・ワイン」の販売を巡って、今イタリアでは議論が起きているそうだ。
●伊のシチリア島で販売を予定
その「青いワイン」とは、イタリアのトスカーナ地方のメーカー「Fratelli Saraceni」が作った「Blumond」。
これはキュラソー(オレンジ香味のリキュール)と桃、そしてプロセッコというブドウの品種で作られ、現在すでにアメリカや中国などでも1本16ポンド(約2300円)で販売されているという。
「Fratelli Saraceni」側はこれをイタリアでも広めたいと計画。来月には豪華な結婚式が行われることでも知られている、シチリア島で発売する予定としている。
しかしながら批評家から、「青いワイン」に対して批判的な意見が寄せられているそうだ。
●批評家から辛らつな批判を浴びる
ある批評家は、「Blumond」はアルコール度数が7%しかなく、イタリアの法律でワインと呼ぶのに必要な10%を下回っていることから、「香りがするカクテル」や「ロング・ドリンク(時間をかけて飲むカクテル)」や「食前酒」というラベルに変えるべきと主張。
またイタリアで最も有名なワインメーカーも、この「青い色」に対して難色を示しているという。
さらにイタリアのソムリエ協会のWladimiro Gobbo氏は、次のように批判している。
「Blumondは単に、私たちのワインの伝統に対する侮蔑にしかすぎません。それは恥ずかしいことです。これらはワインではなく色のついた液体です。アルコールを水で薄めて度数を下げた、子供だましの混合物です」
●結婚式の食前酒にぴったり
一方「Fratelli Saraceni」側はこの「Blumond」が1本16ポンドしかかからず、結婚パーティーなどで、メインが運ばれる前に飲む食前酒としては最適であると主張。
「Fratelli Saraceni」を支持するMatteo Saraceni氏も「この飲み物は青いダイヤモンドにちなんで名前がつけられました。贅沢なシャンパンを必要とするような、一生に一度の経験のためにぜひ使っていただきたい」とコメントしている。
●米や豪でも人気、英でも販売予定
「Blumond」はすでに海外では人気が出ているようで、昨年のアメリカでの売り上げは67万5000ポンド(約9700万円)、オーストラリアでも今年の第一四半期の売り上げは15万1000ポンド(約2180万円)に達しているという。
またイギリスでは大手デパート「ハロッズ」と販売交渉をしているとされ、ネットでもすでに注文できる状態にあるそうだ。
そして「Fratelli Saraceni」は今年の終わりまでにイタリアのローマやミラノなど、新しいものに対し開かれた大都市での販売を目指している。(了)
出展元:MailOnline:Red or white? Now Italy may get BLUE wine – but purists say it’s an insult to national tradition(4/29)