英格安航空会社が突然の経営破綻、海外にいた利用客11万人が置き去りに
イギリスの航空会社が経営破綻し、海外へ渡っていた利用客11万人が本国へ帰れない状況に陥っているという。
経営破綻で社員解雇、飛行機も動かず
その航空会社とは「モナーク航空」。格安航空会社とされ、10月2日に資金繰りに行き詰まり経営破綻に陥ったと発表。2100人いた従業員も全員解雇されたという。
そのためイギリスを発着するすべての航空便の運行も中止に追い込まれ、これまで入っていた30万件に及ぶフライトの予約も全てキャンセルされたそうだ。
しかし何よりも大きな問題となっているのは、休暇などで「モナーク航空」を利用し、海外で過ごしていた人々について。
2週間以内に帰国する予定だった旅行客は約11万人いるとされ、彼らを戻すために多額の費用がかかるとして航空会社が対処できず、イギリスへ帰れない状況に置かれているという。
前例のない最大の本国送還作戦
その状況を打開するために、イギリスの民間航空局(CAA)が史上最大のオペレーションに動き始めた。
CAAはイギリス政府からの要請を受け、30機以上の旅客機をチャーターする予定で、海外に残された人々を本国へ戻す準備を始めているという。
しかも乗客らに余分なコストを支払わせることなく、できるだけ短期間に速やかに実施することを目指しているとか。
運輸大臣のChris Grayling氏も取材で次のように述べている。
「海外で休暇をとっている人にとっては、これは悲惨な状況です。私にとっての最優先課題は、旅行客をイギリスへ戻れるよう手助けすること。そのため私は直ちに、11万人を搭乗させるという、この国でも最大規模の平時における本国送還を命じました。これは前例のない状況における、前例のない対応です」
もっとも規模が大きいため、イギリス政府はいくつかの支障が出ることは避けられないと、旅行客らに警告を発しているという。
そのためCAAのウェブサイトなどで情報やアドバイスをチェックするよう、旅行客に呼びかけているそうだ。
モナーク航空はイギリスの5空港から40余りの都市に就航していたが、原油安で各社の値下げ競争が激化し、長期的な営業損失の計上を余儀なくされてきたと言われている。そして今回の破綻はイギリス航空会社による史上最大規模のものだという。(了)
出典元:METRO:Monarch goes bust sparking Britain’s biggest ever peacetime repatriation(10/2)