運送会社の女社長、ネットで買ったGPSデバイスをパトカーに貼り付け、交通取り締まりを逃れる
自社のトラックが取り締まりに遭わないようにするため、位置情報を発信するGPSデバイスを、複数のパトカーに取り付けた中国の運送会社社長が捕まった。
発見された不審な黒箱
女社長の企みが発覚したのは先月22日。中国·湖北省襄陽市の交通警察がパトカーの定期メンテナンスをしていたところ、1台のパトカーの底部(シャーシ)に、謎の黒い箱が取りつけられているのが見つかった。それはGPSの位置情報を無線で発信するトラッキングデバイスだった。
その交通警察隊には11台のパトカーがあったが、うち6台に同じGPSデバイスが取りつけられていることが、後の調査で判明した。
警察はすぐにGPSデバイスのSIMカードを解析。位置情報を受信していた人物、市内に住むZhuという名の女性を特定した。彼女は地元の運送会社の社長だった。
彼女の自白によれば、会社が雇っているトラックドライバーたちが交通違反の罰金を取られないようにするためだったとのこと。彼女は自分のスマートフォンアプリでパトカーの位置を知り、その近くにいる自社のドライバーに知らせていた。
オンラインショップで7000円
パトカーにつけられていたGPSデバイスは、オンラインショップで1つ350元(約7000円)で売られていたもの。彼女は昨年6月にそれを6個購入し、深夜に警察署の駐車場に侵入。停めてあるパトカーの底部に、磁石式のデバイスを貼りつけたそう。その後先月下旬まで位置情報の受信を続けていた。
逮捕された後の彼女は留置所に8日間入れられ、500元(約1万円)の罰金を払うだけで済んだ。欧米であればこれほど軽微な罰では済まない、と海外メディアは書いている。
確かに、警察の裏をかくような画策をすれば重大事件と看做されておかしくない。しかし中国の基準では違うようだ。(了)
出典元:Odditycentral:Truck Fleet Owner Installs GPS Devices on Police Cars to Track and Avoid Them(2/1)
出典元:China Daily:Tracked out of luck: Woman detained for installing GPS trackers on traffic police cars(1/22)