ウクライナ軍、東部の重要拠点、アウディーイウカから撤退へ
ウクライナ軍は東部ドネツク州にある重要都市、アウディーイウカから、部隊を撤退させると明らかにした。
シルスキー総司令官が撤退を認める
ウクライナ軍のシルスキー総司令官は2月17日、SNSにおいて、ドネツク州のアウディーイウカの一部から部隊を撤退させると投稿した。
シルスキー総司令官は「私たちはウクライナのあらゆる土地を大切にしていますが、私たちにとって最も価値があり優先事項は、ウクライナ兵士の命を守ることです」と述べている。
ウクライナ南東部の部隊を統括するオレクサンドル・タルナフスキー司令官も2月16日、SNSで次のように投稿していた。
「あらゆる可能性のあるシナリオを考慮し、新たな陣地が準備され、強力な要塞の準備が続けられている。我が軍は敵を抑制するために、利用可能なすべての兵力と手段を用いている」
一方、ロシア国防省は17日、ショイグ国防相がプーチン大統領に対し、アウディーイウカの完全掌握を報告したと明らかにした。
ウクライナの軍事拠点だった都市
アウディーイウカは工業都市で、2014年にドネツク市を失ってから、ウクライナの軍事拠点になっていたという。
そしてここでは昨年10月から、ロシア軍と激しい戦闘が続けられており、数週間前にはロシア軍が突破口を開き、前衛部隊が市内に侵入。ウクライナ軍のシルスキー総司令官も、防衛を支援するために援軍を派遣していた。
しかし今回、撤退が報じられたことで、ウクライナ軍が三方をロシア軍に包囲された可能性が指摘されている。
もしアウディーイウカが陥落すれば、大都市ドネツク周辺地域を、ロシア軍が完全に支配できるようになるという。
ウクライナ軍は前線でロシア軍の圧迫を受けており、兵力は消耗し疲弊しているそうだ。またアメリカの大規模な資金援助予算が可決されず、行き詰まっているため、砲弾の不足にも悩まされているという。(了)
出典元:The Guardian:Ukrainian forces give up some positions in Avdiivka as Russian assault continues(2/16)