イランがイスラエルに大規模なドローン攻撃を開始
ついにイランが、イスラエルに対し無人機などによる攻撃を開始した。これはイスラム国家による史上初の、イスラエルへの直接攻撃となる。
100機以上の無人機を発射
イラン製のドローン「シャヘド」と思われるものが4月13日の午後11時頃(現地時間)、イスラエルに向けて発射された。
この攻撃はイランの国営メデイアと、イスラエル軍により確認されている。イスラエル軍(IDF)は、100機以上の無人機が発射されたと発表した。
攻撃の第一波は現地時間の午前2時頃に、イスラエルの領空に到達し、今後数時間にわたって展開すると予想されている。
イランの革命防衛隊も、イスラエルにある「特定の目標」に対し、ミサイルを発射したと発表。イエメンの民兵組織「フーシ派」も、イスラエルに対する攻撃に参加したと、明らかにした。
Israel got the iron dome , those drones aren’t fucking with that anti-defense , it’s the best in the world… pic.twitter.com/PccEXaiHiQ
— JP 🏁 (@400Italy) April 13, 2024
イスラエル側では厳戒態勢
イスラエルのメディア「Channel 12」は現地時間深夜、イスラエルによるイランの無人機に対する最初の迎撃が、シリア東部とヨルダン上空で始まったと報じている。
まだイスラエルにどの程度の被害が出ているのかは、明らかになっていない。ただ比較的ゆっくり動くドローンに対しては、イスラエルの防空システム「アイアン・ドーム」で迎撃できると期待されている。
ただし大量に無人機が撃ち込まれた場合、圧倒される可能性もあるという。
イスラエル側はすでに4月13日には厳戒態勢を敷いており、学校は今後2日間閉鎖された。
またイスラエルやイラク、ヨルダンの空域も飛行禁止となり、ヨルダンは非常事態宣言を発令した。
イラン領事館への空爆で報復を宣言
イスラエル軍は過去数年間、イランの支援を受けるレバノンの「ヒズボラ」への武器移転などを妨害する意図で、シリア内にあるイラン関連の多数の標的を攻撃してきた。
またガザ侵攻が始まってからも、イスラエルと「ヒズボラ」の間では、ミサイルやロケット弾攻撃などが繰り返し行われてきた。
ただしイランの指導者は度々、「戦争は望んでいない」と述べており、イスラエルへの直接攻撃に介入するとは、考えられてこなかった
しかしイスラエル軍は4月1日、シリアのダマスカスにあるイラン領事館を空爆し、革命防衛隊の幹部など6人が死亡。イランの最高指導者・ハメネイ師は、この攻撃をめぐってイスラエルに報復すると繰り返し約束してきたという。
一方、イスラエル側は、イランが自国領土から報復攻撃を開始した場合、自軍がイランを直接攻撃すると何度も警告してきた。
またアメリカ政府も、イスラエルへの報復攻撃をしないよう警告してきたが、今回イランは直接攻撃に踏み切った。
アメリカのジョー・バイデン大統領は、デラウェア州での週末の滞在を切り上げ、国家安全保障チームと会い、イランの攻撃が発表される直前に、状況を監視するためホワイトハウスに急遽戻ったという。(了)
出典元:The Guardian:Iran launches drone attack against Israel as Biden rushes to White House(4/13)