イスラエル軍が、ラファにいる10万人のパレスチナ人に避難命令、東部で攻撃を開始
イスラエル軍は5月6日、ガザ地区南部の町、ラファの東部にいるパレスチナ人に避難命令を出し、空爆を行った。
ビラや放送などを通じて避難命令
イスラエル軍の報道官であるNadav Shoshani中佐は6日、ラファの東部にいる約10万人のパレスチナ人に対して、「アル・マワシ(al-Mawasi)」と呼ばれる人道的なエリアへ避難するよう命じていると明らかにした。
Shoshani中佐は、イスラエル軍が現在、「範囲を限定した作戦」の準備をしていると述べており、これがラファへの広範な侵攻の始まりであるかどうかについては、言及しなかった。
イスラエル軍はすでに、避難地域の地図を公開しており、空から投下されるビラや、テキストメッセージ、ラジオ放送を通じて、人々に避難命令を出しているという。
その後、イスラエル軍はラファ東部への攻撃を開始した。
Footage published by Palestinian media outlets purports to show Israeli strikes and flares over eastern Rafah in the southern Gaza Strip. pic.twitter.com/UFTYKO7707
— Emanuel (Mannie) Fabian (@manniefabian) May 6, 2024
「ハマス」が停戦案を受け入れたと発表
実は5月5日には、「ハマス」側がロケット弾攻撃を行い、イスラエル軍の兵士3人が死亡していた。
またエジプトで行われていた「停戦交渉」についても、「ハマス」の代表団がすでにカイロを離れたと報じられており、イスラエルのヨアヴ・ガラント国防大臣も5日、「ハマス」側が停戦交渉での合意に前向きではないとの見方を示した。
その上で、ガラント国防大臣は「ラファでの軍事行動が、非常に近い将来、始まる可能性がある」と警告していた。
しかし5月6日、「ハマス」側は、停戦するために、エジプト・カタールの停戦案を受け入れたと発表した。「ハマス」の指導者であるイスマイル・ハニヤ氏は、カタールの首相およびエジプトの情報相との電話会談で、停戦案を受け入れたと伝えたという。
ただ「ハマス」側が、どのような停戦案を受け入れたのかは、わかっていない。
イスラエル側は「こちらの核心的要求を満たすには程遠い」としながらも、受け入れられる条件で合意に達する可能性を最大限に高めるため、エジプトに上級代表団を派遣すると明らかにした。
An Israeli offensive in #Rafah would mean more civilian suffering & deaths. The consequences would be devastating for 1.4 million people@UNRWA is not evacuating: the Agency will maintain a presence in Rafah as long as possible & will continue providing lifesaving aid to people pic.twitter.com/8anQ8Eq6Gv
— UNRWA (@UNRWA) May 6, 2024
地中海沿いにある「アル・マワシ」
「アル・マワシ」と呼ばれるエリアは、ガザ地区南部の地中海沿いにある一帯で、イスラエル軍が昨年、ガザ侵攻を始める時から、人道的な避難所に指定していたという。
しかしながら、このエリアも度々イスラエル軍による空爆の被害を受けてきたと言われている。
イスラエル軍の報道官、Shoshani中佐は現在、野戦病院やテント、食糧、水などの「アル・マワシ」への人道支援を拡大していると述べている。
しかし国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)のフィリップ・ラッザリーニ事務局長は、「イスラエルによるラファへの攻撃は、そこに住む140万人にとって壊滅的なものになる。避難はできないだろう」との見方を示した。(了)
出典元:The Guardian:Middle East crisis live: Israeli military tells 100,000 people in Rafah to evacuate(5/6)