イスラエル軍が再びガザ南部のハンユニスを地上攻撃か、住民らに緊急退避命令
イスラエル軍は7月1日、ガザ地区南部の都市、ハンユニスの住民らに緊急の退避命令を行った。
安全地帯を指定せず、避難を要請
イスラエル軍の報道官は、ハンユニス東部の住民に対して、直ちに退去するよう命じ、「安全のため、人道支援地域に直ちに避難しなければなりません」と述べた。
ただし報道官は、その人道支援地域(安全地帯)が、どの地区を指しているのかは、明らかにしていない。
イスラエル軍が南部のラファを攻撃する前には、住民らに北西部にあるアル・マワシ地区へ避難するよう命令が出された。しかしそのアル・マワシ地区も、これまでに度々イスラエル軍によって攻撃されている。
ネットに投稿された動画には、避難命令を受けて、パレスチナ人の負傷者がベッドに乗せられて運ばれる様子や、荷物を詰め込んだカートを押していく人々の姿が映っていた。
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国連によれば、昨年の10月以来、ガザ地区のパレスチナ人のほぼ全員が、複数回の避難を強いられているという。
イスラエル領内にロケット弾攻撃
今回の避難命令が出されたのは、ガザ地区の武装集団「イスラム聖戦(PIJ)」が、イスラエル領土内にロケット弾の集中砲火を浴びせたことが原因と考えられている。
「イスラム聖戦」は、ガザ地区との国境を接するイスラエル領内の複数のコミュニティに対して、ロケット弾約20発を発射したと主張している。
イスラエル側は、この攻撃で死傷者は出ていないと述べているが、「イスラム聖戦」の攻撃は、ガザ侵攻から9カ月たった現在でも、パレスチナの戦闘員らがロケット弾の能力を維持していることを示唆している。
また住民への緊急避難命令は、一度は撤退したイスラエル軍が再びハンユニスに戻ってくることを意味しており、先日ガザ市北部のシュジャヤ地区で展開された作戦のように、イスラエル軍の戦車による地上攻撃が差し迫っていることを示しているという。
ガザ地区全域で続く攻撃
ガザ地区全域でもイスラエル軍の攻撃は続いており、7月1日には北部のガザ市西部の通りに集まっていたパレスチナ人が砲撃され、少なくとも2人が死亡、10人以上が負傷したという。
またガザ地区中部のブレイジ難民キャンプへもイスラエル軍による攻撃が行われ、住宅をターゲットにした砲撃により、1人のパレスチナ人が死亡した。
さらに南部のハンユニスの東にある町、アル・ファカリでもイスラエル軍の攻撃により、1人のパレスチナ人が死亡したそうだ。
「ヒズボラ」との攻撃の応酬
レバノン南部を支配しているシーア派武装組織「ヒズボラ」も7月1日、イスラエル北部の入植地、Kfar Giladiにあるイスラエル軍の陣地を攻撃したと主張。また北部の町、Ramot Naftaliにあるイスラエル軍の建物を攻撃したと明らかにした。
一方、イスラエル軍もレバノン南部の2つの町にある、「ヒズボラ」の工作員が集まっていた建物を攻撃。またレバノン南部の村、BlidaやKfar Kila、al-Bayyaadaにある複数の「ヒズボラ」の施設を攻撃したと明らかにした。
ネタニヤフ首相は、イスラエル軍がまもなくレバノン南部に焦点を移すと述べており、「ヒズボラ」も国境を越えた攻撃を激化させている。(了)
出典元」Al Jazeera:Israel war on Gaza live: Army orders new evacuations from Khan Younis(7/1)