ガザ地区では利用できる水の量が90%以上も減少、病気の蔓延も懸念
ガザ地区では、イスラエルにより、利用できる水の量が極端に減少しており、人々が苦境に立たされている。
給水施設の破壊、支援の妨害が原因
貧困撲滅に取り組む国際的支援団体「オックスファム」の新しい報告書によれば、ガザ地区では利用できる水の量が94%も減少し、壊滅的な健康被害が引き起こされているという。
これはイスラエルによる外部からの給水停止、給水施設の組織的な破壊、援助の意図的な妨害が原因だとされている。
この結果、現在1人当たり1日4.74リットルの水しか使えず、これは緊急時に推奨される量の3分の1弱しかなく、トイレを1回流す量にも満たないそうだ。
実際にイスラエル軍は昨年10月以来、数日ごとに給水・衛生インフラ施設を破壊。また水や電気施設を修理するためのスペアパーツや、燃料の持ち込みも制限してきたという。
そしてガザ地区にある下水ポンプの70%、下水処理場の100%、井戸の88%、淡水化施設の100%が破壊され、イスラエル国営水道会社からの外部供給も78%減少されたそうだ。
🚨BREAKING: A new Oxfam report reveals how Israel’s systematic weaponizing of water against Palestinians in #Gaza, has reduced the amount of water available in Gaza by 94% to 4.74 litres a day per person.
Read our release👉 https://t.co/BYn8GDKOil pic.twitter.com/bqd7AR35Xs
— Oxfam International Media Team (@newsfromoxfam) July 18, 2024
📍 Nuseirat, middle #Gaza: @UNRWA continues to deliver critical water, but it is becoming almost impossible to provide any kind of response due to the Israeli imposed siege, lack of fuel, lack of aid supplies, lack of safety and further displacement orders. pic.twitter.com/TGPszgm6qS
— United Nations Geneva (@UNGeneva) July 8, 2024
病気が蔓延すると警告
このようにガザ地区では下水施設がとまり、ゴミが散乱する中で人々が暮らしているため、病気の蔓延も懸念されている。
ガザ地区中部のDeir el-Balah市では約70万人の避難民が暮らしているが、市当局は今週、燃料切れで下水ポンプと処理場が閉鎖され、「道路が下水で浸水し、病気が蔓延する」と警告を発した。
医師らも、すでに疥癬や水痘、皮膚発疹、シラミが急速に広がっていると述べており、国連機関は、コレラなどの深刻な病気が流行するリスクについて繰り返し警告しているという。
ウクライナが大量の小麦粉を送る
そんな中、ウクライナ政府は、パレスチナに1000トンの小麦粉を送ったと明らかにした。
これは貧困国や地域に無料で穀物などの農業資源を送る、ゼレンスキー大統領の構想の一環とされ、今回の配送は3回のうちの最初のものになるという。
ウクライナ外務省は、これらの穀物支援により、「10万1000世帯以上のパレスチナ人家族を1カ月間支援することになる」と述べている。
過去24時間で54人が死亡
ただしガザ地区では7月18日にも、イスラエル軍による攻撃が続いており、北部のガザ市ザイトゥーン地区にあるUNRWAの学校への攻撃で、少なくとも2人のパレスチナ人が死亡、8人が負傷した。
またガザ地区中部のDeir el-Balahにある町、Zawaydaでも、イスラエルの攻撃により、8人のパレスチナ人が殺害され、ブレイジ難民キャンプでも少なくとも2人のパレスチナ人が死亡したという。
さらにヌセイラトにある難民キャンプの住宅もターゲットにされ、少なくとも5人が負傷した。
ガザ地区の保健当局は18日、過去24時間で54人のパレスチナ人が殺害されたと発表。昨年10月以来、3万8848人のパレスチナ人が殺され、8万9459人が負傷したという。(了)
出典元:Al Jazeera:Israel’s war on Gaza live: ‘Pattern of systematic mass killing’ continues(7/18)