NYでユダヤ人による反ネタニヤフの抗議デモ、ガザ地区での停戦を呼び掛ける
ニューヨーク市では9月26日、国連演説のために訪問したイスラエルのネタニヤフ首相を批判する、大規模なデモが行われた。
「彼は世界に嘘をつくだろう」
このデモを組織したのは、パレスチナの反占領・反戦の立場をとるユダヤ人とされ、彼らは国連本部の近くに集まり、イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカを訪れたことを抗議したという。
小雨が降り続く中、講演者は集まったデモ参加者に向かって演説し、ガザ地区での停戦を呼びかけ、「(国連での演説が行われる)金曜日には、ネタニヤフ首相は我々イスラエル人に嘘をつくのと同じように、世界に嘘をつくだろう」と訴えたそうだ
また「子供たちを殺すのをやめ、戦争を終わらせ、停戦協定に署名し、人質を帰国させましょう。軍事的な解決策はない」と訴えたという。
Today, I stood with my allies in the Jewish-American and Israeli communities in calling for a ceasefire and hostage deal outside the @UN General Assembly. It was a privilege to be a partner to a diverse coalition of peace organizations promoting a new path forward between the… pic.twitter.com/ZBCIJ4RYB6
— Ahmed Fouad Alkhatib (@afalkhatib) September 26, 2024
Progressive Israeli & Jewish groups protesting outside the UN this morning as Netanyahu arrives in NY, chanting “War has no winners” & “There is no military solution”@jstreetdotorg @AmeinuUSA @NYJewishAgenda @UnxeptableD @truahrabbis @USA4ILDemocracy pic.twitter.com/I9OFJ4mQ8z
— hannahssarisohn (@hannahssarisohn) September 26, 2024
「権力の維持のために紛争を長期化」
デモ参加者の中には、ユダヤ人のザヒロ・シャハル・モルさんもおり、彼の79歳になる叔父は昨年の10月7日に「ハマス」により拉致され、今年の8月には遺体となって発見されたという。
シャハル・モルさんは、ネタニヤフ首相がニューヨークにいること自体に不満を表明。国連総会で演説し、「世界全体がこれを称賛し、受け入れているのはバカげていると思う」と述べた。
また彼は、ネタニヤフ政権が単に「権力を維持したいために、紛争を長期化させている」と主張。アメリカ政府が、ネタニヤフ首相にもっと圧力をかけるべきだと訴えた。
他にもデモ参加者の中からは「ネタニヤフ首相がこの世界の舞台に立つことは、常軌を逸している」や「ネタニヤフ首相は人質を帰国させ、この紛争を終わらせるのに、ずっと邪魔者だった」といった声も寄せられたという。
Joined @NYJewishAgenda to call for an end to this horrible war & the return of all hostages ahead of Netanyahu’s address to the UN. We need an immediate action that stops the war and returns all the hostages. pic.twitter.com/m7Jb5cteQ4
— Harvey Epstein (@HarveyforNY) September 26, 2024
離れた場所では親パレスチナのデモ
一方、ユダヤ人の抗議デモから少し離れたニューヨーク公共図書館の外でも、親パレスチナのデモが行われ、やはりネタニヤフ首相のニューヨーク訪問に抗議したという。
このデモ参加者は、「パレスチナ解放」と書かれたプラカードを掲げ、イスラエルの首相を戦争犯罪者として非難。アメリカ政府に対し、イスラエルへの軍事援助をやめるよう求めるプラカードを掲げたという。
ネタニヤフ首相「完全勝利まで戦う」
イスラエルのネタニヤフ首相は9月27日、国連総会で演説を行い、「ハマスはガザ地区から撤退しなければならない」とし、次のように述べた。
「ハマスが権力の座に留まれば、組織は再編され、イスラエルを何度も何度も攻撃するだろう。だからハマスは(ガザ地区から)撤退しなければならない」
またレバノンへ攻撃を行っていることについても、次のように述べ、正当化した。
「イスラエルには、この(ヒズボラの)脅威を排除し、国民を安全に(北部の)故郷に戻す権利がある。そしてそれがまさに私たちがやっていることだ。私たちはすべての目的が達成されるまでヒズボラを貶め、攻撃を続けるだろう」
ベイルート南部に大規模な空爆
そしてレバノンでは9月27日にも、大規模な空爆が行われ、特に首都ベイルート南部が大きな被害を受けた。
ベイルート南部のハレト・レイク地区では、イスラエル軍の空爆により、建物6棟が倒壊。今までの所、2人が死亡し、70人が負傷し、現在も救出活動が行われ、犠牲者の数が増えると考えられている。
The largest Israeli bombardment in Lebanon to date has hit Beirut’s densely populated Dahiyeh neighbourhood, where Israel says Hezbollah’s central command was located.
Lebanon’s health ministry says at least two people were killed and dozens injured. pic.twitter.com/WHyWIEdCeM
— Al Jazeera English (@AJEnglish) September 27, 2024
その後も、同じ地区でイスラエル軍の空爆が行われ、建物3棟が破壊されたという。この場所は「ヒズボラ」の本部があると言われ、この攻撃は「ヒズボラ」の指導者を狙ったとも言われている。
イスラエル軍はこれらの攻撃に、新型のバンカーバスター「GBU-72(2200kg)」を使用したとの見方も出ている。(了)
出典元:The Guardian:‘Stop killing children’: protests as Netanyahu arrives for UN address(9/26)
出典元:Al Jazeera:Israel attacks Lebanon: Beirut suffers ‘unprecedented’ bombardment(9/27)