ウクライナ軍がドネツク州の拠点から撤退、ロシア軍が町を占領
ウクライナ軍は10月2日、東部ドネツク州の町、Vuhledarから撤退したと明らかにした。
ロシア軍が3方向から攻撃
ウクライナ軍の司令部によれば、ロシア軍はドネツク州の町、Vuhledarを3方向から攻撃し、包囲される寸前になったため、兵力を温存して、部隊が10月2日の夜に撤退したという。
ロシア軍はドネツク州を進軍し続けており、Vuhledarの陥落は追い風になったと考えられている。
ロシア側のテレグラムには、Vuhledarにある廃墟と化した建物の上で、ロシア兵が国旗を振る映像が公開されている。
2年以上にわたり防衛してきた町
Vuhledarの町は、1960年代半ばに鉱山の周囲に建設され、ロシア侵攻前には約1万4000人が住んでいたという。
しかし今では、マンションなどの建物が破壊され、町には多数の傷跡が残り、広大な廃墟となっている。
ウクライナの第72機械化旅団は、2年以上にわたってVuhledarを防衛してきたという。しかし10月1日、ウクライナ政府は、この町で長期にわたる戦闘の結果、多数の損失を被ったと発表した。
ロシア軍は今年の2月、ドネツク州郊外の都市、アヴディウカ市を占領。それ以来、ロシア軍は最も速いペースで進撃を続け、Vuhledarの北80km地点にある物流拠点の町、Pokrovskの町に迫っているという。
このため専門家は今後、ウクライナ軍がロシア軍の圧力にさらされている他の都市、ToretskやSelydoveからも撤退を余儀なくされる可能性があると見ている。
ただしアメリカのシンクタンク「戦争研究所(ISW)」によれば、Vuhledarは特に重要な兵站拠点ではなく、この町を失っても、作戦が根本的に変わることはないという。(了)
出典元:The Guardian:Ukraine says its forces have withdrawn from defensive bastion of Vuhledar(10/2)