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シリアの反政府勢力が各地を制圧、首都・ダマスカスの包囲を開始

シリアの反政府勢力が各地を制圧、首都・ダマスカスの包囲を開始
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シリアでは各地で反政府勢力が勢いづき、ついに首都・ダマスカスの包囲が開始されたと報じられている。

 

南部の勢力がダマスカス近郊に到達

 

「ハヤト・タハリール・アル・シャム(HTS)」率いる反政府勢力は、先日、中部の要衝、ハム市を制圧。さらに南下し、シリア第3の都市、ホムス市に入り、現在政府軍と戦闘を始めているという。(すでにHTSが、ホムス市中心部を制圧したとの情報も)

 

また南部のDaraa県とSweida県の反政府勢力も、一夜にして政府軍を撃破。同県の広い範囲をコントロール下に置き、現在は首都・ダマスカスの中心部から5マイル(約8km)離れた町、ダラヤに入り、包囲を開始したそうだ。

 

さらにダマスカスの東部にある古代都市・パルミラも、反体制派の自由シリア軍が制圧し、さらにダマスカスに向かって進撃していると言われている。

 

シリア政府軍の兵士がイラクへ逃亡

 

シリア国営メディアによれば、政府軍はホムスでのHTSの進撃を阻止することに集中し、同地の反政府勢力に激しい空爆を行い、増援部隊を派遣しているという。

 

しかしシリア政府軍は混乱しているらしく、イラク側は2000人のシリア兵士が国境を越えて、逃げたと発表。中東メディアのアルジャジーラも、兵士を満載したシリアの戦車やその他の軍用車両がイラクに渡る映像を公開したという。

 

2011年に内戦が始まって以来、シリアのアサド政権に軍事的・財政的支援をしてきたロシアとイランは、先週からの反政府勢力の進撃以来、支援に消極的であるように見える。

 

またかつてシリア軍の戦力強化にあたった親イランの組織「ヒズボラ」も、イスラエルとの戦いで大きな損失を被り、支援に相当数の戦闘員を派遣できていない。

 

シリア軍兵士に降伏を呼び掛ける

 

南部の反政府勢力を統括する「ダマスカス解放作戦指令室」の将校、Yasser al-Mikdad氏によれば、反政府勢力はダマスカス西部の町、モアダミヤ(宮殿から数キロ離れた町)を制圧し、現在シリア政府軍の大半が撤退しており、兵士はわずか70人しか残っていないという。

 

また反政府勢力側は、シリア政府軍兵士に対し、交戦せず、流血を避けるため降伏するよう呼び掛けているそうだ。

 

すでに12月7日から、シリアのアサド大統領が国外へ逃亡したとの情報が流れていたが、シリア政府は、その報道を否定。しかし現在も、アサド大統領の所在は不明で、数日前から姿を見せていない。(了)

 

出典元:The Guardian:Syrian rebels begin to encircle Damascus amid denials Assad has fled(12/7)

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