イスラエル軍が「グローバル・スムード船団」の船を拿捕、活動家らを拘束

ガザ地区へ人道支援物資を届けようとしていた「グローバル・スムード船団」の船が、イスラエル軍によって拿捕された。
少なくとも6隻の船舶を拿捕
約50隻に及ぶ「グローバル・スムード船団」の船は10月1日には、ガザ地区の沿岸から278km離れた海域に入り、航行していた。
しかしその後、イスラエル海軍が、船団の通信を妨害しはじめ、さらに船を拿捕し始めた。
イスラエルのメディアによると、これまでに6隻の船舶が拿捕されており、その中には複数の著名な活動家を乗せた「アルマ号」も含まれているという。
今後さらに、船団の多くの船が拿捕されると予想されている。
グレタ・トゥーンベリ氏も拘束
イスラエル軍は船舶に乗り込み、乗船していた多くの活動家を拘束。スウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥーンベリ氏も船が拿捕された後、イスラエル軍に連行されたという。
イスラエル外務省は「X」で、「ハマス・スムード船団の船舶数隻が無事に停泊し、乗客はイスラエルの港へ移送されている」と発表。「グレタ氏と友人らは安全で健康である」と述べた。
またイスラエル外務省は、トゥーンベリ氏が連行される様子を映した動画も公開している。
Israel’s foreign ministry has shared a video of activist Greta Thunberg as its navy intercepts an aid flotilla headed to Gaza.
Israeli authorities say Thunberg is “safe and healthy” and is being transported to an Israeli port.
🔗 https://t.co/2y8xuOm1Nf pic.twitter.com/j8D7vHJc9q
— Sky News (@SkyNews) October 1, 2025
船団側は「海賊行為」「誘拐」と非難
イスラエルによる封鎖を7度も突破しようと試みてきた「自由船団連合」は、イスラエル軍が国際水域(公海)で「グローバル・スムード船団」を攻撃したと非難。次のように声明を発表した。
「非武装の良心ある人々が国際水域で拉致された。これは海賊行為であり、誘拐だ。船団はいかなる法律も犯していない。違法なのは、イスラエルによるジェノサイド、ガザ地区の壊滅的な封鎖、飢餓を戦争兵器として利用すること、そして民間船舶に対する海賊行為と乗船者全員の拉致だ」
その上で「自由船団連合」は、各国政府にイスラエルへ圧力をかけ、行動を起こすよう促し、支援者に対しても「政府にイスラエルとの断交を要求せよ」と訴えた。
イタリアでは抗議活動が勃発
イタリアでは、イスラエル軍が船団を拿捕したとの報道を受け、多くの都市で抗議活動が勃発したという。
南部のナポリでは、デモ参加者が中央駅に押し入り、列車の運行を停止させたそうだ。ローマでも、デモ参加者がテルミニ駅の入口付近に集まったため、警察が包囲した。
イタリアの労働組合も、「イタリア国民を乗せた民間船への攻撃は極めて深刻な問題だ」とし、イスラエル軍の拿捕に抗議してストライキを呼びかけ、他の小規模な労働組合も参加を表明したという。
またスペインやイタリア、ギリシャとともに船団を見守っていたトルコ政府も、イスラエル海軍によるスムード船団の拿捕を「テロ行為」と非難した。
ガザ地区では61人のパレスチナ人が死亡
一方、ガザ地区ではイスラエル軍の攻撃が続けられ、10月1日の夜明け以降、全域で少なくとも61人のパレスチナ人が死亡したという。
ガザ地区南部のハンユニス市では、支援物資を求めていた2人のパレスチナ人が殺害されたそうだ。
また北部のガザ市のアル・ザイトゥーン地区でも、イスラエル軍の攻撃により、パレスチナ人の子供1人が死亡した。
ガザ地区の保健当局によると、10月1日には過去24時間以内に、子供1人を含むパレスチナ人2人が飢餓で死亡したという。(了)
出典元:Aljazeera:Gaza Sumud flotilla live: Israel intercepts ships, detains activists(10/1)