米コロラド州でリスから腺ペストの陽性反応、人間やペットへの感染に注意
アメリカのコロラド州で、リスを検査したところ腺ペストの陽性反応が出たとして、注意が呼びかけられている。
バクテリアによって引き起こされる感染症
コロラド州Jefferson郡にある街、Morrisonの当局は、地域に生息するリスが腺ペストの検査で陽性になったと声明で発表。今年、アメリカでは最初のケースになったと報告した。
ペストは「エルシニア・ペスティス」と呼ばれるバクテリアによって引き起こされる感染症で、中世には黒死病と呼ばれ、欧州では推定5000万人が死亡。現代でも、適切な予防措置がとられなければ、人間や飼っているペットにも感染するという。
人間には、ペストに罹ったノミや動物に噛まれることで感染し、または動物の組織や血液に直接触れることによっても感染すると言われている。
ネコが感染しやすい傾向
特にネコなどはノミによって噛まれたり、または罹患したネズミを食べたり、ネズミに引っかかれたり噛まれたりして、腺ペストにかかりやすいそうだ。
しかもネコが感染した場合、すぐに抗生物質を投与するなどの措置をとらなければ、死んでしまう可能性もあるという。
犬に関してはネコよりは感染しにくいが、ペストに感染したネズミを拾ったり、ノミを運んでくる可能性もあるため、注意が必要だとか。
人間が感染した場合の症状とは?
人間における腺ペストの症状には、突然の高熱や寒気、頭痛、吐き気、強烈な体の痛み、リンパ節の腫れも含まれると言われている。
感染後2日から6日で発症するとみられるが、初期に診断され、抗生物質などを投与されれば、効果的に治すことができるそうだ。
このため適切な治療が施されれば、腺ペストに感染しても、リスクはかなり低いという。
ただ7月5日には、内モンゴル自治区のバヤンノールで腺ペストが疑われる症例が確認され、地元当局は警戒警報を市内全域に出し、ペストに感染したマーモットなどの動物を食べることを控えるよう呼びかけている。(了)
出典元:ABC News:Squirrel tests positive for the bubonic plague in Colorado(7/14)
出典元:CNN:内モンゴルで腺ペストが疑われる症例、当局が警戒呼びかけ(7/7)