トナカイの角が光る話題の写真、果たして本物なのか?
先日、フェイスブックのグループ内に、光るトナカイの角の写真が投稿され、注目を集めた。
事故を避けるために角に塗料
その写真には、薄暗い中にたたずむトナカイが映っており、角だけがオレンジ色の明るい輝きを放っていた。
そして投稿には、グループのメンバーによって次のような説明が書かれていたという。
「フィンランドのような国では、しばしばトナカイがトラックや車と衝突する事故が道路で起きている。これを避けるために、政府はトナカイの角に反射するペイントを塗ることを決定した。このペイントにより、自動車を運転する人は、遠くから角を見ることができ、トナカイとの衝突に注意を払い、致命的な怪我を防ぐのです」
この投稿は48時間後には、4万件もシェアされたが、このように本当に角が光るのか、疑問に思った人もいたという。
In Finland they paint deers’ antlers with reflective paint to prevent cars from hitting them and this will be my album cover if I ever do a solo project pic.twitter.com/qlvVZKJ0aF
— Justin Staggs Ⓥ (@Staggfilms) July 12, 2021
ペイントを塗る試みは行われていたが…
実はトナカイの角に反射するペイントを塗る試みは実際に行われ、2014年にはBBCや「SmithsonianMag.com」も報じている。
その報道でも「フィンランドの道路では1年間に約4000頭のトナカイが道路の事故で死んでいる」や「この特殊なスプレーは、トナカイの毛皮や角に吹き付けて、さまざまな気象条件の中でどのような効果を発揮するかをテストしている」と伝えていたそうだ。
また、これらの記事にも光るトナカイの角の写真が掲載されていたが、今回フェイスブックに投稿された写真のようなものではなかった。
そして「Phys.org」では2016年に「この反射するペイントを塗る試みは、皆が期待していたほど、うまくいかなかった」と報じている。そして現在ではトナカイを見かけた場所を目撃者が登録して、警戒を促すアプリを導入しているという。
そして問題の写真だが、実はこの写真は2020年2月にインスタグラムに投稿されたものらしく、そのキャプションには「これが現実のものではなく、アート作品だ」と書かれていたそうだ。(了)
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出典元:Truth or Fiction:Finland Reindeer Reflective Paint Posts(7/12)