インド製の新型コロナワクチン「Covaxin」の緊急使用を、WHOが承認
世界保健機関(WHO)が、インドで開発された新型コロナワクチン「Covaxin(コバクシン)」の緊急使用を承認した。
インドの国産ワクチン、有効性は78%
「Covaxin」はインド政府が開発を支援してきた国産ワクチンで、今年の1月にはすでに国内での緊急使用が政府によって認められ、接種が進められてきたという。
ただ当時はまだ、第3相の臨床試験の途中だったため、いくつかの懸念が示され、批判も寄せられていたそうだ。
しかしその後、ワクチンを作ったインドの製薬会社「Bharat Biotech社」がデータを公表。新型コロナに対するワクチンの有効性が78%になったと明らかにした。
4週間開けて2回接種
WHOの専門家委員会は先月、「Bharat Biotech社」が7月に提出した申請書を審査する際、「Covaxin」に関するデータをもっと多く公開するよう要請していたという。
今回、緊急使用が承認された内容によれば、「Covaxin」は18歳以上に対し、4週間の間隔を開けて、2回接種するよう推奨されているという。
またこのワクチンは、2回目の接種から14日以上経過したあらゆる新型コロナの重症化に対し、78%の有効性が示され、不活化ワクチンのため、保管も容易なことから発展途上国(低中所得国)などでの使用に適していると言われている。
しかし妊婦への影響についてはまだ分かっておらず、利用可能なデータは妊婦への安全性や効果について評価するには不十分だとされている。
「メリットがリスクを上回る」
WHOは緊急使用の承認について、ツイッターにおいて「このワクチンはメリットの方が、リスクを上回る」と説明している。
ただ数人の専門家は、このような早急な承認とデータの不完全性を指摘。一方、「Bharat Biotech社」のKrishna Ella博士は、「Covaxinは200%安全だ!」と主張しているという。
すでにインドでは数千万人がこの「Covaxin」を接種しており、今回の承認は接種した人にも安心材料になるようだ。
ただインドでは、アストラゼネカ社がインドで開発した新型コロナワクチン「Covishield」が最も人気があり、インドにおける8億1000万回のワクチン接種のほとんどを占めていると言われている。(了)
出典元:BBC:Covaxin: WHO approves India Covid vaccine for emergency use(11/3)