ナチのシンボル「黒い太陽」をつけたウクライナ兵士の写真を、NATOが公開してしまう
3月8日の国際女性デーに、ウクライナの女性兵士を讃えるつもりでNATOがツイッターにアップした写真。そこに想定外のものが写っていたため、すぐに削除されたのだが、すでにコピーがSNS上に拡散されている。
襟元の陰にナチのシンボル
NATO(北大西洋条約機構)がその日ツイッターに上げた写真は4点。そのうちの1点に、ウクライナ軍の迷彩服を着た女性兵士が写っている。
勇敢なウクライナ女性がロシア軍と戦っている、とアピールしたかったのだろうが、彼女の襟元の目立たないところに、奇妙な形の紀章が写っていた。
この件を報じたアメリカの「ニューズウィーク」によれば、紀章の形はナチスのオカルト的な秘儀に使われたマークで、シュバルツェ・ゾンネ(Schwarze Sonne/黒い太陽)またはゾンネンラート(Sonnenrad/日輪)と呼ばれている。かぎ十字(スワスティカ)が使いにくくなった今、代わるものとして世界中の極右やネオナチが使用し、ウクライナの準軍事組織「アゾフ連隊」の公式ロゴにもなっているとのこと。
At the point, the US and NATO’s continued brazen promotion of literal nazis can only be interpreted as intentional recruitment ads for fascists. pic.twitter.com/6WGSyf9SUe
— Holding Biden Accountable (@WaitingOnBiden) March 8, 2022
NATOは紀章が写っていたことを認める
「黒い太陽」が写っていることを、複数のツイッターユーザーから指摘されたNATOは、すぐさま問題のツイートを削除。その後、ニューズウィークにこう説明した。「私たちは国際女性デーに合わせたコラージュに、通信社が配信した写真を使った。(そこに)公式なものと確認できないシンボルが含まれていると気づいて、すぐに削除した」
つまりNATOは、ウクライナ女性兵士が公式ではないシンボル(=「黒い太陽」)を身につけていたことを、認めた格好になる。
ところでプーチン大統領は、いろいろな理屈をつけてウクライナ侵攻を正当化しており、その1つには「ウクライナの非ナチ化」というのがあるわけだが、果たしてどうなのか?
ニューズウィークによれば実際、ウクライナ軍の中にも極右やネオナチ集団を支持する者は存在するという。ただし専門家や当局者たちは、プーチン大統領がウクライナ侵攻を「非ナチ化」のためだと主張していることについて、単なるプロパガンダだと異議を唱えている。(了)
出典元:Newsweek:NATO Says It Didn’t Notice Ukraine Soldier’s Apparent Nazi Symbol in Tweet(3/9)
出典元:Greeley Tribune:NATO says it ignored Ukraine soldier’s apparent Nazi symbol in tweet(3/9)