ロシア軍、ザポリージャ原発に武器を保管か?ウクライナで空爆が相次ぐ
ウクライナの関係者はロシア軍が、支配下にある原発に武器を保管しているとの見方を示した。
「極めて緊迫した状況」
ウクライナの国営原子力機関である「エネルゴアトム(Energoatom)」の社長、ペドロ・コティン氏は7月15日、南東部にあるザポリージャ原子力発電所の状況が「極めて緊迫したもの」だと述べたという。
また最大500人のロシア兵が発電所を支配しており、ロシア軍は原子力発電所にミサイルシステムを含む武器や弾薬を持ち込み、保管し、そこからドニプロ川の反対側にあるニーコポリなど、ウクライナ領を砲撃していると語った。
ザポリージャ原子力発電所はヨーロッパ最大と言われ、侵攻以来、ロシア軍の支配下に置かれているが、現在もウクライナ人スタッフによって運営されているそうだ。
原発に武器を保管することの意味は明らかにされていない。ただウクライナ軍はこれまで、ロケットシステムなどで、ロシア軍の弾薬庫や武器庫、物流拠点を攻撃してきた。しかし原発に武器が保管されているとなれば、容易に攻撃できない可能性がある。
In the latest Atomic Pulse piece, @Nickolas_Roth explains Russia’s attack on the Zaporizhzhia nuclear power plant, what could have happened, and what the long-term implications are for nuclear security efforts around the world.
Read it here: https://t.co/k2M8W4s5e6 pic.twitter.com/049zUc1OFC
— NTI (@NTI_WMD) March 9, 2022
ロシア軍が空爆を強化、各都市に被害
一方、ここ数日、前線から遠く離れた地域でのロシア軍による攻撃が報告され、ウクライナの大部分で空爆の脅威が高まっている。
ロシアがウクライナの各都市への長距離砲撃を強化し、過去3日間で少なくとも34人が死亡、多数の負傷者が出ているという。
16日には首都・キーウ全体に空襲警報が鳴り響き、7月15日の遅くには、ロシアのミサイルがドニプロを襲い、3人が死亡、15人が負傷。ロケットは工場とその隣の通りを直撃したそうだ。
東部ドネツク州の10カ所でも、相次いで砲撃があり、8人が死亡、13人が負傷している。
7月14日には、黒海にいるロシア軍の潜水艦からカリブル巡航ミサイル発射され、キーウの南西にあるビンニツィア州のオフィスビルを直撃、23人の死亡が確認された。
また現在、68人が病院で手当てを受けており、そのうち14人が深刻な状態に陥っているそうだ。
アメリカの国防総省は、過去2週間、ウクライナでロシア軍の攻撃により約100〜150人の民間人が死亡したとの見方を示している。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアの目的が「ウクライナの都市に最大の損害を与えること」であると述べたという。(了)
出典元:The Guardian:Russia-Ukraine war: Russian forces ‘preparing new offensive’ – live(7/16)