スーパーマンをもじったパン屋「スーパーパン」、著作権侵害で訴えられるも勝利
チリの小さなパン屋さんが、アメリカ最大のコミックブック会社「DCコミックス」から訴えられ、3年近く裁判が続いていたが、この度判決が出た。パン屋「スーパーパン」は、今後もその名前を使えることになった。
「スーパーパン」と呼ばれた店主
Gonzalo Montenegroさん(41才)は、チリ・サンティアゴ県の町キンタノルマルで、30年以上前から自家製のパンを売っている。
若い頃から、店が繁盛するようにとピーターパン柄やスーパーマン柄など目立つTシャツを着て仕事をしていたMontenegroさん。そのスーパーマン柄が地元で評判になり、彼はいつしか「スーパーパン」と呼ばれるようになっていた。
そこで彼は、店名を「スーパーパン(Superpan)」にして、順調に営業を続けていたのだが、3年ほど前、スーパーマンの著作権を持つDCコミック社から訴えられてしまった。
Montenegroさんの店は、家族経営の小さなパン屋。普通なら、アメリカ最大のコミックブック会社が標的とする相手ではない。だが、インターネットで「スーパーパン」が話題になり、目立ってしまったせいで訴えられたらしい。
海外メディアによれば、DCコミックス側の弁護士は「スーパーパンの営業を続けさせることは、スーパーマンとの混同を生み、スーパーマンというブランドを傷つける」と主張したそう。
ところで悪いことは重なるもので、「superpollo(スーパー鶏)」や「supercerdo(スーパー豚)」なるネーミングで肉類を売っていたチリのスーパーマーケット「Agrosuper」も、DCコミックスの尻馬に乗り、「スーパーパンに真似された」と言ってMontenegroさんを訴えたと報じられている。
産業財産権庁の判決
DCコミックスとの争議は3年にわたり、最近になって、ほぼ決着がついた。チリの産業財産権庁は「スーパーパンはいかなる知的所有権も侵害していない」とし、Montenegroさんがその名前を使い続けることを認めた。
DCコミックス側は上訴することもできるが、Montenegroさんの弁護士によれば、その可能性は非常に少ないそう。
この一件はチリの多くのメディアで取り上げられ、「スーパーパンがスーパーマンに勝った」という見出しが付けられたらしい。(了)
出典元:Odditycentral:DC Comics Sues Chilean Bakery “Superpan” Over Copyright Infringement(9/21)