「ヒトラーが好きだ」「ホロコーストはなかった」カニエ・ウェストが再び問題発言
ラッパーのカニエ・ウェスト(現在:イェ)氏が、あるネット番組に出演し、再び問題発言を行った。
陰謀論者で有名な人物の番組
ウェスト氏は12月1日、陰謀論者として知られるアレックス・ジョーンズ氏のネット番組「インフォウォーズ」に出演。
顔面を黒いマスクで覆い、「ヒトラーが好きだ」「愛している」と語り、ナチスを擁護し、ホロコーストを否定。次のように述べたという。
「ヒトラーには良いところがある。どんな人間にも価値のある所があり、特にヒトラーにはそれがあった。ドイツには、一時は本当に良い指導者がいた。彼は600万人のユダヤ人を殺していない。ホロコーストは事実無根だ。ショックを与えようとは思っていない。私はヒトラーが好きだ。ホロコーストは起きてはいなかった」
あるユダヤ人を繰り返し批判
ウェスト氏は10月初旬、パリのファッションウィークで「White Lives Matter」のTシャツを着て会場に現れ、物議を醸していた。
またその後も、反ユダヤ主義的な発言を繰り返し、「GAP」や「アディダス」との契約も打ち切られた。
もっとも、なぜ反ユダヤ主義的な発言を繰り返すのか、動機はあまり分かっていない。
ただ今回の番組では、ハリウッドのエージェント、ユダヤ人のアリ・エマニュエル氏に言及。この人物が「自分の人生を台無しにしようとした」と主張した。
またウェスト氏には長年にわたる精神疾患が知られており、これが不安定な行動の原因とも考えられている。
アレックス・ジョーンズとは?
一方、アレックス・ジョーンズ氏は、陰謀論者のトランプ支持者とされ、2001年9月11日の同時多発テロも、2013年4月15日のボストンマラソン爆破事件も、どれも政府が仕組んだものだと荒唐無稽な説を主張してきた。
トランプ氏は2015年にジョーンズ氏の番組にも出演し、その後「君の評判は素晴らしい。私は君(ジョーンズ氏)を失望させないだろう」と述べたという。
2016年の大統領選挙の時、ジョーンズ氏はトランプ氏の対抗馬であるヒラリー・クリントン候補を攻撃。番組内で、「不気味な魔女だ、悪の側に回った」などと発言したそうだ。
また2012年にコネチカット州のサンディフック小学校で起きた銃乱射事件では、「事件は起きていない」「俳優を雇った政府による自作自演」だと主張。犠牲者の家族も中傷し、彼らから訴えられていた。
今年、開かれたこの事件の裁判でジョーンズ被告は、自らデマを広げたと認め、有罪判決を受けている。
しかし今回の番組を見た人の中には、「カニエの発言を聞くと、ジョーンズがまともに見える」とコメントした人物もいたという。
トランプ氏、カニエや白人至上主義者と会食
11月22日、トランプ氏は。フロリダ州にある自身の別荘「マール・ア・ラゴ」に、ウェスト氏を招待。
ウェスト氏はその場に、白人至上主義者のNick Fuentes氏を連れてきて、トランプ氏らは3人でディナーを共にしたという。
この際、ウェスト氏は「自分は、プーチン派であり、親ロシア派だ」と述べたという。2016年の大統領選挙では、ロシアがトランプ氏を勝たせるために、陰謀論やデマを広めて工作を行ったと言われている。
共和党下院司法委員会の議員が運営するツイッターアカウントは以前、トランプ氏やウェスト氏がツイッターで復活する見込みを受け、10月6日には「カニエ、イーロン、トランプ」とツイートしていたという。
しかし今回のウェスト氏の「ヒトラーを愛している」発言を受け、そのツイートを削除したそうだ。(了)
出典元:NBC:House Judiciary Republicans delete ‘Kanye. Elon. Trump.’ tweet as rapper praises Hitler(12/2)