アルゼンチンに渡航するロシア人妊婦が急増、子供に国籍を取得させるため
アルゼンチンでは、ウクライナ侵攻以降、国籍を取得するために渡航して、出産するロシア人女性が増えているという。
3カ月間で5800人が到着
アルゼンチン移民局のフロレンシア・カリニャーノ局長によれば、過去1年間に約1万500人の妊娠したロシア人が自国に到着したという。
そのうち5800人はこの3カ月間に到着し、多くは妊娠33週目か34週目だと申告しているそうだ。
すでに約7000人のロシア人女性が出産後に帰国し、アルゼンチンの弁護士が赤ちゃんのためにアルゼンチンの市民権を申請することを任され、その後両親も市民権を取得するという。
アルゼンチン当局が取り締まりへ
この動きはウクライナ侵攻以降目立っており、ロシア人がビザを必要としないアルゼンチンは、子供に第二市民の特権を与えようとする家族にとって人気の目的地になったそうだ。
しかしアルゼンチン当局は、この動きを取り締まることになったという。カリニャーノ局長は、テレビのインタビューで次のように語っている。
「問題は、彼女らがアルゼンチンにやって来て、子供を産み、そして二度と戻って来ないことです。(入国する際)観光客ではないのに、観光客だと嘘をつくのは許せません」
2月9日には、33人の妊婦(すべて妊娠32週と34週の間)が同じフライトで、ブエノスアイレスに到着。女性の何人かはパスポートコントロールで拒否されたが、最終的には入国できたという。
ただ2月10日には、ロシア人女性のうち2人は、ブエノスアイレスの空港内に残り、入国審査を通過することができなかったそうだ。
そのようなロシア人女性をかばうクリスチャン・ルビラール弁護士は、次のように語っている。
「依頼人は妊娠32週のロシア人女性で、戦争から逃れてアルゼンチンに来ました。プーチン政権では、戦争に同意しないことは、刑務所に入ること、あるいは彼女の家族が戦場の最前線に送られることに値するのです」(了)
出典元:The Guardian:Crackdown on ‘birth tourism’ as pregnant Russians flock to Argentina(2/10)