AIに完全制御されたF-16戦闘機、テストで初めて空中戦に成功
アメリカで昨年、AIによって飛行する戦闘機のテストが行われ、空中戦の有効性が示された。
離陸、着陸、空中戦を行う
その戦闘機とは「X-62A」または「VISTA」と呼ばれ、F-16戦闘機の改良型とされている。
この機体は完全にAIによって制御されており、昨年12月にカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地でテスト飛行が行われた。
「X-62A」は合計17時間以上、人間の介入なしに離陸、着陸、空中戦を行い、戦闘においてAIに主導権を渡すことが可能であることが示されたという。
#AI successfully pilots fighter jet ✈️
.#ICYMI @deptofdefense artificial intelligence agents successfully pilot a fighter jet making AI history! Using a X-62A VISTA, this was a combined team effort from @afresearchlab, @lockheedmartin, @darpa and @EdwardsAFB.
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@officialafmc pic.twitter.com/hsfgaw0kVx— Edwards Air Force Base (@EdwardsAFB) February 15, 2023
実機でAIが使われるのは初めて
このAIのアルゴリズムは、アメリカ国防総省の研究部門である国防高等研究計画局(DARPA)が開発したもの。
それまでこのアルゴリズムは、F16のコンピューター・シミュレーションでの空中戦にしか使われておらず、今回実機でAIが使われるのは初めてのこととされている。
そしてテストの成功により、自律型ドッグファイトの有効性を実証するDARPAのACE(Air Combat Evolution)プログラムを1年早めることができたという。
シミュレーションとの相違が生じた
ただしアメリカ空軍のライアン・ヘフロン中佐は「大きな問題はありませんでしたが、シミュレーションベースの結果と比較して、いくつかの相違が生じました」と述べている。
その上で「これは、先進的な自律機能を飛行試験するだけでなく、VISTAのようなテストベッド(実際の使用に近い状況での試験環境)で行うことの重要性を浮き彫りにしています。そうすることで私たちが、他の飛行体よりもはるかに速いスピードで教訓を学び、繰り返すことができるのです」と述べている。
今回の試験飛行では、セーフティパイロットが同乗し、必要に応じて操縦を引き継ぐことができるようになっていたという。(了)
出典元:MailOnline:The rise of the AI fighter pilot: Self-flying F-16 jet takes off, fights against other aircraft and lands – without ANY human help(2/16)