英空軍の偵察機が昨年、黒海でロシア軍に撃墜される寸前だった?
リークされたアメリカ軍の機密情報に、昨年イギリス軍の偵察機が撃墜されそうになっていたことが書かれていたという。(アイキャッチはアメリカ軍の機体)
ロシアの戦闘機が異常接近
その偵察機とは、イギリス空軍の「RC-135 リベットジョイント」だ。
これは核兵器探知機として知られ、昨年9月にはロシア占領下のクリミア半島に接近し、飛行していたという。
その際、ロシア軍の戦闘機「Su-27」が、わずか約4.5mの距離まで接近。さらに偵察機のそばに、ミサイルを放ったそうだ。
イギリスのベン・ウォレス国防大臣もこの出来事を認めているが、当時はロシア側から「技術的な不具合」だとの説明を受け、それ以上追及することはなかったとか。
しかし今回、リークされたアメリカ軍の機密情報には、当時「RC-135 リベットジョイント」は撃墜寸前までいったと書かれていたという。
イギリスの国防関係者は、アメリカの文書は間違っていると主張し、「これらの報告書は不正確な情報を含んでおり、黒海上の国際空域で起こったことを反映していない」と述べたそうだ。
ただいずれにしても、この事件は、イギリスとNATOの同盟国をウクライナ戦争に直接引きずり込む可能性があったと考えられている。
現在は、戦闘機が護衛
イギリス空軍は、情報収集のために定期的に黒海上空を飛行しており、「RC-135 リベットジョイント」は、電子的な伝送や通信情報を吸い上げているという。
しかしこの事件以来、イギリス空軍の偵察機は「タイフーン」戦闘機で護衛されており、アメリカ軍は代わりに無人偵察機を使っているそうだ。
アメリカ国防総省のパトリック・ライダー報道官は、黒海とその上空がすべての国に開放されていることが重要であると強調している。
またライダー報道官は先月、「黒海は、ルーマニア、ブルガリア、トルコを含む多くのNATOの同盟国を支える重要な国際海路であり、どの国のものでもない」と述べたそうだ。
先月、アメリカ軍の無人偵察機がロシア軍によって衝突され、墜落したが、3月15日にはロシアの船が墜落地点で目撃されている。
一方、アメリカ国防総省は、偵察機の部品は回収できず、情報はすべて消去されたと主張している。(了)
出典元:METRO:Russia nearly shot down RAF spy plane over Black Sea, leaked documents claim(4/10)