貨物船の舵に密航者!警察が4人のナイジェリア人を保護【ブラジル】
ブラジルで4人の難民が船の舵にいるのが発見され、その後警察に一時的に保護された。
ナイジェリアから船でブラジルへ
その4人はナイジェリア人で、貨物船の舵の部分に潜り込み、大西洋を渡ってきたという。
移動した距離は約5600km。しかし海に出てから10日目には、食べ物も飲み物も底をついたそうだ。
にもかかわらず彼らは、それから4日間も、舵の下に流れ込む海水を飲み、生き延びたという。
その後、ブラジル南東部にあるビトリア港で、連邦警察によって救助された。
‘I WAS SO SCARED’: Four migrants crossing the Atlantic in a tiny space above the rudder of a container ship were rescued by Brazilian authorities after 14 days at sea. https://t.co/bA4iYuS9tP pic.twitter.com/Ti8p0hbFLS
— ABC News (@ABC) August 4, 2023
実は、ヨーロッパを目指していた
彼らは経済的苦難、政情不安、犯罪の多発によって、祖国ナイジェリアを捨てるしか選択肢がなくなってしまったという。
実際にアフリカで最も人口の多いナイジェリアは、長年にわたる暴力と貧困の問題を抱えており、誘拐が常態化しているそうだ。
このため彼らはヨーロッパを目指して船に乗り込んだが、救助された際には、大西洋の反対側、ブラジルに上陸したことを知ってショックを受けたという。
やがてブラジル連邦警察に救助され、一時的に避難所へ送られるも、その後4人のうち2人はナイジェリアに戻されたそうだ。
しかしサンクゴッド・オペミポ・マシュー・イェイさん(38)と、ロマン・エビメネ・フライデーさん(35)は、ブラジルに亡命を申請。現在は、回答を待っている状態だという。
クジラやサメも見えた
フライデーさんによれば、ナイジェリアのラゴスを出航したのは6月27日で、彼は友人の漁師に、リベリア船籍のケン・ウェーブ号の船尾まで漕ぎよせてもらい、舵の部分に潜り込んだという。
しかし驚くことに、そこにはすでに3人の男がいて出航を待っており、フライデーさんは彼らが自分を海に突き落とすのではないかと、恐怖を感じたそうだ。
やがて船が動き出すと、4人は船の乗組員に見つからないよう最大限の努力をし、音を立てず、また海に落ちないよう、舵の周りに網を張り、ロープで自分たちを縛ったという。
ただ船のエンジンの騒音や窮屈な環境でほとんど睡眠をとることはできず、また下を見ると、クジラやサメのような大きな魚も見えたそうだ。
そして約2週間に及ぶ危険な航海の後、船はブラジルに到着し、4人は保護された。(了)
出典元:Reuters:Four Nigerians, rescued in Brazil, survived 14 days on a ship’s rudder(8/1)